中国初の国産商用電界放出型透過電子顕微鏡「TH−F120」。(資料写真、広州=新華社配信)
【新華社広州1月23日】中国初の国産商用電界放出型透過電子顕微鏡「TH−F120」が20日、広東省広州市黄埔区で発表された。同区にある研究機関、生物島実験室が中心となり開発。独自の知的財産権を持ち、透過電子顕微鏡の輸入依存を打破する。内部に使われる電子銃などのコア技術を中国が既に掌握し、完成品を量産する能力を備えたことを意味する。
透過電子顕微鏡は業界の独占度と技術的ハードルが高く、海外の著名ブランド企業が世界で主要なシェアを占める。中国もこれまで100%輸入に依存し、国産を実現できなかった。
TH−F120は独自に開発した幾つかの技術を備える。高輝度電界放出型電子銃はより優れたコントラストと分解能の画像を得ることができ、高安定性低リップル高圧電源は高圧自動制御による電子銃の安定放出を実現。高画素CMOS(相補性金属酸化膜半導体、シーモス)カメラは低電子線量モードでも試料から多くの詳細情報を取得できる。
同製品は今後、中国の材料科学や生命科学、半導体産業など最先端の科学と工業の質の高い発展を強力に支えていく。