今年も氷雪観光で国内トップ人気　黒竜江省ハルビン市

５日、黒竜江省のハルビン氷雪大世界パークで花火を鑑賞する観光客。（ハルビン＝新華社記者／王建威）

　 【新華社北京１月１２日】中国東北部に位置する黒竜江省ハルビン市は年明けの時期に、国内で最も人気のある観光都市となっている。オープンからわずか３時間足らずで４万人が来場した氷雪大世界（ハルビン氷祭り）、にぎわう中央大街、聖ソフィア大聖堂、太陽島国際雪像芸術博覧会など、同市の主要観光スポットはいずれも大混雑となっている。中国観光研究院が発表した最新の「２０２４年中国氷雪観光都市トップ１０」で、同市は首位となった。元日連休期間（２０２３年１２月３０日～２４年１月１日）、同市を訪れた観光客は累計３０４万７９００人、観光収入は５９億１４００万元（１元＝約２０円）となり、いずれも過去最高を記録した。

　 同市文化広電・観光局の王洪新（おう・こうしん）局長は「この冬は美食や景観と市民、観光客が相思相愛のようだ」と話す。中国のソーシャルメディアには連日、観光客の都合に配慮した同市のさまざまな措置に関する人気コンテンツが多数登場。発表されるやすぐにトレンド入りし、同市は瞬く間に「インフルエンサー都市」となり、ホリデーシーズン市場はニーズの急増という新たな様相を呈している。

１００年以上の歴史を持つハルビン市の中央大街。（２０２３年１２月３１日撮影、ハルビン＝新華社記者／王建威）

６日、黒竜江省のハルビン極地公園で、ペンギンと触れ合う「小砂糖橘」の子どもたち。広西チワン族自治区南寧市の子どもたち１１人は教員３人に引率されて、昨年末から東北地方で遊学している。全員統一したオレンジ色の服を着用していることから、ネット上では同自治区の特産品の砂糖橘（ミカンの一種）にちなんで「小砂糖橘」と呼ばれている。（ハルビン＝新華社記者／張濤）

中国の短文投稿サイト「微博（ウェイボ）」ではハルビンに関する人気検索ワードが幾つも上位に入っている。（資料写真、北京＝新華社配信）

　 同市の氷雪文化の根底は深く、氷雪関連イベントは６０年以上の歴史がある。１９６３年、第１回ハルビン氷灯芸術遊園会（氷灯祭り）が開催された。８５年には、第１回ハルビン氷雪大世界が開催され、観光客は氷灯祭りでさまざまな氷彫刻芸術を鑑賞する以外に、帆橇（ほぞり、帆のついたそり）、氷上こま回しを楽しんだり、「氷雪文芸晩会（舞台芸術の夕べ）」に参加したりできるようになった。現在では、氷雪観光はスポーツや経済と融合し、文化的内容がますます豊かになっている。

２日、ハルビン氷雪大世界の会場で氷の滑り台を体験する観光客。今年はコースが１４本に増え、最長で５２１メートルに延びた。（ハルビン＝新華社記者／謝剣飛）

黒竜江省ハルビン市の亜布力（ヤブリ）スキー観光リゾートでスキーを楽しむ観光客。（２０２３年１２月２日撮影、ハルビン＝新華社配信）

７日、ハルビン市内を流れる松花江の畔で、夕暮れ時の「ダイヤモンドの海」を楽しむ観光客。松花江の採氷場は既に作業が終了し、使われなかった純度の高い氷塊が数多く放置されていることから「ダイヤモンドの海」と呼ばれ、新たな人気観光スポットとしてネットで話題となっている。（ハルビン＝新華社記者／謝剣飛）

　 同市の観光人気は、氷雪ブームだけでなく、特色ある料理や文化、人々の温かい気風にも支えられている。松花江には熱気球が浮かび、まるでトルコにいるようなロマンチックな雰囲気を醸し出す。聖ソフィア大聖堂上空には人工の月がつるされ、観光客が美しい写真を撮る手助けをする。オロチョン族のトナカイ、氷雪カーニバルのホッキョクギツネ、動物園の東北虎（アムールトラ）も「おもてなし」をしている。さまざまな「要望に応える」取り組み、細やかなサービスと対応、地元の人々の温かさがこの冬、遠方からの観光客にぬくもりと癒やしを与えている。

　 王局長の「氷と雪の世界が当市最大の特徴で、『コールドリソース』を文化と観光が融合した『ホットエコノミー』に変えるのは、資源の開発、利用だけでなく、関連サービスのレベルアップでもある」という言葉は核心をついている。（記者／沈氷潔）

ハルビン市の路上でパフォーマンスするアーティスト。（資料写真、ハルビン＝新華社配信）

カットされた冷凍梨やほかのフルーツが盛られた皿。（資料写真、ハルビン＝新華社配信）

６日、ハルビン市の中央大街で、民族衣装を着て観光客にあいさつするホーチョ族の人々。（ハルビン＝新華社記者／王建威）

３日、ハルビン市の中央大街で、地元の人たちが運行する観光客のための無料シャトルバスと、その横を歩く観光客。（ハルビン＝新華社記者／謝剣飛）