【新華社ベオグラード1月11日】セルビアでは2023年、中国企業が建設を請け負う道路、トンネル、汚水処理などのインフラ事業が順調に進展し、両国間に友情の橋を架け、両国の「一帯一路」共同建設に新たな原動力を注入した。
セルビアのE763高速道路の建設現場では、工事が勢いよく進んでいる。E763高速道路は、セルビアと隣国モンテネグロの港湾を結ぶ重要なルートであり、バルカン地域と周辺国を結ぶ輸送の大動脈でもある。総延長は約300キロ。インフラ建設大手の中国交通建設集団が4区間の建設を請け負い、うち新ベオグラード-スルチン区間、スルチン-オブレノバツ区間はすでに開通している。セルビアのブチッチ大統領は23年4月に行われた新ベオグラード-スルチン区間の開通式で、E763高速道路の建設はセルビアにとって深い意味があると述べた。
同道路現時点の開通距離は140キロで、セルビア南西部の大・中規模都市を首都ベオグラードからの1時間経済圏に組み込み、400万人以上が恩恵を受けている。
セルビア北部では、中国の道路建設大手、中国路橋工程(CRBC)が同国第2の都市ノビサドとルマを結ぶ高速道路の建設を進めている。道路の総延長は約47・7キロで、うち長さ3・5キロのトンネルを含む。工事を統括する王耀竜(おう・ようりゅう)氏は、トンネルが開通すると、地元住民の山道走行時間は大幅に短縮され、ノビサドとベオグラード都市間の交通網も強化されると紹介した。
地元住民は取材に対し「このトンネルを70年以上も待ち望んでいた。完工すると、南から北までの所要時間が従来の30~40分から、およそ5、6分に短縮される」と期待を示した。
CRBCが請け負う行政汚水処理プロジェクト「クリーンセルビア」は、中国企業がセルビアで締結した契約額が最大の環境保護系プロジェクトである。同国93地域の行政汚水パイプライン網と汚水処理場の建設を担い、契約額は28億ユーロ(1ユーロ=約160円)に上り、230万人が恩恵を受ける見通しという。