内臓逆位「鏡人間」の手術に成功 四川省

内臓逆位「鏡人間」の手術に成功 四川省

新華社 | 2024-01-09 13:32:41

   手術に先立ち、症例について議論を重ね、詳細な手術計画と緊急時の対応策を策定する四川省人民医院肝胆外科の医師ら。(2023年12月23日撮影、成都=新華社配信)

   【新華社成都1月9日】中国四川省成都市の四川省人民医院は7日、「鏡人間」の手術に成功したと明らかにした。手術を受けたのは省内に住む女性患者の竜(りゅう)さん(31)。腹部の不快感を訴え受診したところ、「膵(すい)疾患に伴う門脈圧亢進症(もんみゃくあつこうしんしょう)」と診断された。病状の重さもさることながら、竜さんが「鏡人間」だったことが事態をより深刻にした。

  「鏡人間」とは、心臓や肝臓、脾臓(ひぞう)、胆嚢(たんのう)、膵臓など、内蔵の配置が鏡に映したように左右反対になる内臓逆位症のこと。胸腹部の主要臓器の配置が通常とちょうど反対になるため、手術の難度が高い。同医院肝胆外科の龔軍(きょう・ぐん)医師によると、内臓逆位症の原因については医学的に特定できていない。現段階では、胚発生過程における遺伝子の突然変異が関係していると考えられ、その発生確率は約100万分の1とされる。

  中国国内では内臓逆位症患者に対する手術症例はごくわずかで、膵臓の部分切除と脾臓の切除を同時に行った例はさらに少ない。それでも同医院の肝胆外科チームは患者の苦痛を和らげようと手術の実施を決定した。術前の総合的な評価と検査を終えた後、昨年12月26日、複数の診療科が連携した医療・看護チームが今回の特殊な手術を行った。

  肝胆外科の張宇(ちょう・う)主任によると、医師らは手術中、膵臓や脾臓が真逆に位置していることや、脾臓手術で腹腔(ふくこう)内に広範な癒着があったことの影響を克服、出血も的確に抑制した。臓器の位置の把握も正確で、逆向きの手術操作は順調に進み、4時間余りの手術は無事終了した。術後の治療とリハビリ訓練を経て、患者は良好な回復過程にあり、近く退院するという。(記者/董小紅)pagebreak

   内臓逆位症患者に手術を行う四川省人民医院の医療・看護チーム。(2023年12月26日撮影、成都=新華社配信)

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