【新華社北京12月27日】中国国家統計局社会・科学技術・文化産業統計司がこのほど発表した2022年の中国イノベーション指数は155・7となり、2015年以降の年平均成長率は6・5%となった。同指数を構成する指標のうち、「研究開発費の追加控除による税の減免を受ける企業の割合」「研究開発者1万人当たりの高価値発明特許保有件数」「登録商標保有企業の割合」の3指標はいずれも10・0%以上の年平均成長率を実現した。
2012年11月に行われた中国共産党第18回全国代表大会(十八大)以降、世界の新たな科学技術革命と産業変革が大きなチャンスと試練をもたらす中、中国は現代化実現に向けた全局面でイノベーションの中核的な地位を堅持してきた。イノベーション駆動型発展戦略を遂行し、経済発展方式の転換を加速し、イノベーションの「成長の第一の原動力」としての作用を日増しに強めている。
研究開発への資源投入が着実に増加した。中国の研究開発費は2012年の1兆元(1元=約20円)から22年には3兆900億元に拡大し、研究開発費の対GDP比率は1・9%から2・6%に、研究開発費に占める「基礎研究」の割合は4・8%から6・3%に上昇した。
イノベーションを取り巻く環境が大きく改善した。2022年の中国のイノベーション環境指数は160・4で、2015年以降の年平均成長率は7・0%となった。研究開発費の追加控除比率が引き上げられ、研究開発費の算定管理制度も整備が進んだ。2022年の一定規模(主要業務の年間売上高2千万元)以上工業企業のうち、研究開発費の追加控除による税の減免を受けた企業数は11万5千社と15年の7・9倍になった。税の減免額は2994億3千万元で、15年の6・7倍になった。
人材の層が厚くなった。中国の研究開発者のフルタイム当量(FTE)は2012年の年間324万7千人から22年には年間635万4千人となり、世界首位を維持した。
イノベーションが持続的に成果を収めた。2022年の年間発明特許登録件数は79万8千件と15年の2・2倍になった。1万人当たりの高価値発明特許保有件数は9・4件と15年より6・9件増え、3・8倍になった。22年の科学技術論文発表数は214万7千本と15年より30・9%増えた。
イノベーションによる先導は中国経済に原動力を与えた。ニューエコノミーが急速に発展し、経済発展の主なエンジンとなった。2022年は「三新」と呼ばれる新産業、新業態、新ビジネスモデルの増加値(付加価値額)が21兆84億元となり、GDPに占める割合は17・4%と15年より2・6ポイント上昇した。「三新」をはじめとする新興経済は発展を続け、「新質生産力」(新たな性質を持つ生産力)の形成が加速し、経済モデルの転換・高度化を促し、経済の活力を高める重要な力となった。
科学技術イノベーションが量的累積から質的飛躍へ、「点」の突破から系統的な能力向上へと進歩した。基礎研究と独創的な革新が強化され、多くの中核技術が飛躍的な進展を遂げ、戦略的新興産業が大きく発展した。有人宇宙飛行や月・火星探査、深海・地球深部探査、スーパーコンピューター、衛星測位、量子情報、原子力発電技術、新エネルギー技術、大型飛行機製造、バイオ医薬品などの分野で大きな成果を収め、イノベーション型国家の仲間入りを果たした。