中国の学者、新型保温素材の開発に成功 ホッキョクグマの体毛にヒント

中国の学者、新型保温素材の開発に成功 ホッキョクグマの体毛にヒント

新華社 | 2023-12-27 13:38:33

   研究者は零下20度の冷蔵倉庫の中で(左から)「ホッキョクグマセーター」、ダウンジャケット、ウールセーター、コットンセーターの保温効果をテストした際の結果を示した写真。(資料写真、杭州=新華社配信)

   【新華社杭州12月27日】中国の浙江大学の研究チームは、ホッキョクグマの体毛の構造を模倣することで、エアロゲルを密封した、軽量で耐久性を有し、保温力が極めて高い人工繊維を開発した。研究成果は22日、米科学誌「サイエンス」に掲載された。

  浙江大学化学工程・生物工程学院の柏浩(はく・こう)教授と高分子科学・工程学学部の高微微(こう・びび)副教授の研究チームが成し遂げた。

  柏氏は、ホッキョクグマが氷点下40度の環境に適応できるのは、超強力な保温性を持つ体毛があるためと説明。研究チームはホッキョクグマの体毛について、中空構造をしており、中には大量の「静止した」空気が封入され、1本1本がシェルで覆われていることを突き止めた。電子顕微鏡で見ると、シェルは厚さ約20マイクロメートルで、体毛の直径の4分の1近くを占める。

  ホッキョクグマの体毛に関する発見にヒントを得た研究チームは、約6年をかけて「コア・シェル」構造の新たな繊維を開発。繊維の中心は高分子エアロゲルで、内部には直径約10~30マイクロメートルの細長い小孔が分布している。小孔は同じ方向を向いて並んでおり、空気を格納する「倉庫」のようになっている。繊維表面のTPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)のシェルが、内部のエアロゲルを包んでいる。

  「『コア』は超強力な保温性を実現し、繊維内部の小孔の方向とサイズを調節することで、赤外放射を『閉じ込め』、熱の放出を防ぐことが期待できる。『シェル』は強度と耐久性を高め、繊維に良好な物理的支持を提供し、耐摩耗性、耐引張性、耐水洗性を向上させる」と柏氏は話す。

  保温効果を検証するため、研究者は氷点下20度の冷蔵倉庫の中で、ダウンジャケット、ウールセーター、コットンセーターと今回開発した「ホッキョクグマセーター」を同じ初期温度で試着した。衣類の表面温度の上昇が小さいほど、人体から失われる熱が少なく、衣類の保温性能が優れることを意味する。

  研究者はテスト開始数分後、コットンセーターの表面温度が10・8度に、ダウンジャケットは3・8度に上昇したことを確認した。厚さがウールセーターとほぼ同じでダウンジャケットの3~5分の1しかない「ホッキョクグマセーター」は3・5度までしか上昇しなかった。(記者/朱涵)pagebreak

   光学顕微鏡で見たホッキョクグマの体毛。(資料写真、杭州=新華社配信)

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