【新華社北京12月21日】中国では今年、消費が引き続き回復し、開放がますます拡大、経済の復調が進み、発展の質も着実に向上し、活発な市場が世界経済をけん引している。
中国は世界最大の中間所得層を誇り、世界第2のモノの輸入国の地位を維持、特大規模の市場を形成している。ここ1年は内需の喚起に注力、消費の回復と拡大を優先事項とし、大規模市場の活力と潜在力を引き出してきた。
9日、山東省煙台市のデパートで買い物をする消費者。(煙台=新華社配信/唐克)
中国消費市場は今年、春節連休(2月10~17日)から好スタートを切り、都市の繁華街に客足が戻った。夏休み映画の興行収入は200億元(1元=約20円)を初めて突破、観客数は延べ5億500万人に達した。中秋節・国慶節連休(9月29日~10月6日)期間の旅行者数は8億人、国内観光収入は7500億元を超えた。ネット通販セール「双11(ダブルイレブン)」の11月11日は全国の宅配便取扱量が6億3900万件に達し、普段の1・87倍に増えた。
ニュージーランド食肉大手シルバーファーン・ファームスのデーブ・コートニー最高顧客責任者(CCO)は「中国は4年連続でわれわれにとって最大の国際市場になり、22年の対中輸出は輸出全体の35%に拡大した」とし、牛肉消費は中国で大きな成長性があり、中国市場の拡張に期待を寄せていると述べた。
米ファストフード大手マクドナルドはこのほど、中国現地法人への出資比率を20%から48%に引き上げると宣言。クリス・ケンプチンスキー最高経営責任者(CEO)は「中国の日増しに成長する消費需要はわれわれに巨大なチャンスを創出している」とし、「中国はマクドナルドにとって世界で最も急速に拡大している市場で、その長期的な成長性からわれわれは引き続き利益を受けていく」との見通しを示した。
中国経済は量的な拡大とともに質的な向上も実現している。経済成長に対する科学技術の貢献が高まり、グリーン(環境配慮)の色彩が濃くなり、イノベーションの駆動力も強まりつつある。多くのハイテク産業クラスターとイノベーション拠点が形成され、強大な市場の活力が世界経済に新たな原動力を注ぎ込んでいる。
江蘇省常州市にある理想汽車常州基地の工場で働く従業員。(2月15日撮影、常州=新華社記者/楊磊)
江蘇省常州市には、正極材・負極材、セパレーター、電解液、バッテリーセルなどをカバーする車載電池セクターの国内外大手30社以上が集まり、産業規模は1700億元を超える。業界筋は、車載電池産業チェーンは32部門に区分でき、そのうち常州には率にして97%の31部門が集まっていると指摘する。
オーストラリアのエコノミスト郭生祥(かく・せいしょう)氏は「こうした産業の高度な集積は強大な『マグネット効果』を発揮し、世界のイノベーション要素を一つの場所に集め、相乗効果を生んでいる」と指摘。「さまざまな企業が国境を越え、中国に根を下ろし、融合・共生している。これこそが市場のパワーだ」と語った。
フランスの化粧品会社ロレアルグループのジャンポール・アゴン会長は「中国は巨大な市場にとどまらず、革新的なコンセプトの実験室であり、最新マーケティング実践の試験場でもある」と対中投資の戦略的意義を強調した。