5日、「春泥造物」工房が制作した、文化クリエーティブの要素を加えたカップ。表面に古典の詩を焼き付け、風合いを出している。(済南=新華社記者/蕭海川)
【新華社済南12月12日】中国山東省済南市にある「春泥造物」は「90後」(1990年代生まれ)の若者3人が大学時代に共同で立ち上げた陶磁器工房で、起業のプラットフォームでもある。現在7人いる工房は2022年に、第1陣の「山東手造・優選100」の文化クリエーティブ企業に選ばれた。
5日、「春泥造物」工房の展示ホールに陳列された工房手作りの陶磁器のサンプル。(済南=新華社記者/蕭海川)
共同創設者の1人で、同市歴城区の無形文化遺産、砂陶焼造技術の伝承者でもある高裕傑(こう・ゆうけつ)さん(32)は工房の過去10年を振り返り、市場競争の試練に耐えながらも各種陶磁器累計100万点以上を焼成し、独自の知的財産権を持つ陶磁器作品50点余りを制作、過去3年間の売上高は年平均約300万元(1元=約20円)で安定していると紹介。伝統文化が今、若者から大いに支持されていると話した。
5日、陶磁器のサンプルを加工する「春泥造物」工房の共同創設者、史一帆(し・いつはん)さん。(済南=新華社記者/蕭海川)
共同創設者の宋若琪(そう・じゃくき)さん(29)と史一帆(し・いつはん)さん(26)は、手工芸の継承という共通目標のために集まった。宋さんは主に薪窯(まきがま)磁器工芸を研究し、史さんは窯変(ようへん)を専門にしており、それぞれに強みを持つ。
5日、薪窯磁器の特徴を説明する「春泥造物」工房の共同創設者、宋若琪(そう・じゃくき)さん。(済南=新華社記者/蕭海川)
高さんは「工房ではOEM(相手先ブランドでの生産)業務を請け負いながら、一方では陶磁器の文化クリエーティブデザインを行っている」と説明。若手手工芸職人として自分たちがするべきことは、文化財や文化クリエーティブ製品と市場の一般的な商品との間に「共鳴点」を見出すことで、無形文化遺産は古くさいものではなく、現代人のニーズを満たす一種のイノベーションだと述べた。(記者/蕭海川)
5日、「春泥造物」工房が製作した十二支の文化クリエーティブ製品を紹介する工房の共同創設者、高裕傑さん。(済南=新華社記者/蕭海川)
5日、「春泥造物」工房が焼成した蓮の花の形をした香立て。(済南=新華社記者/蕭海川)
5日、「春泥造物」工房の陶磁器製品の一部。(済南=新華社記者/蕭海川)