8日、ニューヨークの国連本部で開かれた安保理会合。(国連=新華社配信)
【新華社国連12月10日】国連安全保障理事会は8日、パレスチナ・イスラエル間の人道目的の停戦を求める決議案を採決したが、米国の拒否権行使により否決された。この結果に多くの国が失望と遺憾の意を表明した。
国連のグテレス事務総長の要請により、安保理は8日午前、パレスチナ・イスラエル情勢に関する緊急会合を開いた。同日午後、安保理はアラブ首長国連邦(UAE)が提案し、約100カ国が支持するガザ地区での人道的即時停戦を求める決議案を採決した。理事国15カ国のうち13カ国が賛成票を投じ、英国が棄権したが、常任理事国の米国が拒否権を行使し、決議案は否決された。米国のロバート・ウッド国連代理大使は採決後、決議案は「現実と乖離」していると述べた。
中国の張軍(ちょう・ぐん)国連常駐代表(国連大使)は、決議案が否決された後の投票理由説明で、中国は「極めて大きな失望と遺憾の意」を表明すると述べ、2カ月にわたる戦闘は前例のない死と破壊を引き起こしており、即時停戦が全てに先立つ優先事項だとした。
パレスチナのマンスール国連大使は、安保理が新たな決議案の可決を通じてその職責を果たせなかったことは遺憾であり「壊滅的」だと述べた。
UAEのアブシャハブ国連次席大使は採決の結果に「深く失望した」と述べ、同国はガザ地区で続く暴力を終わらせるために、安保理の理事国に対し行動するよう促し続けると表明した。
ロシアのポリャンスキー国連次席大使は「今日は中東史上、最も暗い日の一つとなった」とし、米国が停戦の呼びかけを再び阻止したと述べた。
フランスのドリビエール国連大使は「フランスはこの決議案に賛成票を投じた。われわれは人道目的の恒久的な停戦の即時実現を求める」と述べた。
日本の石兼公博国連大使は決議案の否決に遺憾の意を示し「パレスチナ人であれイスラエル人であれ、民間人の命が失われるのは悲劇であり、われわれは決議案に賛成した」と説明した。