【新華社北京12月3日】中国でネット出前など生活関連サービスを手がける美団が11月28日に発表した2023年第3四半期(7~9月)決算は、売上高が前年同期比22・1%増の765億元(1元=約21円)、純利益が3倍の35億9千万元で、調整後の純利益は62・4%増の57億3千万元となった。王興(おう・こう)最高経営責任者(CEO)は「サービス・商品のリテール販売の持続的な革新と投資が増収増益につながった」と説明した。
顧客への補助金を強化し、決算発表では「コストパフォーマンス」が高頻出ワードとなった。販売・マーケティング支出は前年同期の109億元から169億元に増え、上昇幅は55・3%だった。
事業部門は中核的ローカルコマースと新事業の2部門からなる。中核的ローカルコマース部門の売上高は24・5%増の577億元だった。即時配送サービスの取引件数、来店・ホテル・旅行の予約サービスの取引額の増加が寄与した。営業利益は8・3%増の101億元、売上高利益率は2・6ポイント低下の17・5%となった。
中核的ローカルコマース部門は、フードデリバリーサービス、生鮮食品や日用品の即時配送サービス「美団閃購」、来店・ホテル・旅行の予約サービスなどが含まれる。フードデリバリーサービスは質の高い成長と細やかな運営に注力。「美団閃購」は受注件数、出店業者数、顧客数がそろって顕著に増え、400近くの小売ブランドとパートナーシップを構築。来店・ホテル・旅行の予約サービスは取引額は90%超増となり、アクティブな事業者数は50%以上増加した。ライブ配信にも力を入れ、対象エリアは200以上の都市に拡大、回数も大幅に増加した。
新業務部門の売上高は15・3%増の188億元。営業赤字は改善、営業損失率は前年同期の41・6%から27・2%となり、14・4ポイント縮小した。
新業務部門は、地域コミュニティーによる共同購入サービス「美団優選」や生鮮食品に特化した配送サービス「美団買菜」などが含まれる。「美団優選」の営業損失率は前年同期比、前四半期(4~6月)比とも縮小。商品選択や価格設定の能力を強化したことで、取引実績のある顧客数は9月末時点で延べ4億9千万人に達した。「美団買菜」は取引額が大きく増加し、顧客数も購買頻度、客単価がいずれも上昇した。価格の優位性を確立させ、物流網を改善、サプライチェーン(供給網)の効率を向上させると同時に、独自ブランドに注力してきた。
営業キャッシュフローは112億元の流入となり、9月30日時点で保有する現金や現金同等物は251億元、資産運用・投資は1085億元だった。