中国の長江デルタ地域、新エネ車産業の発展進む

中国の長江デルタ地域、新エネ車産業の発展進む

新華社 | 2023-11-30 16:45:11

   【新華社上海11月30日】中国の長江デルタ地域(上海・江蘇・浙江・安徽1市3省)の一体化発展が国家戦略に昇格してから5年、「新たな質の生産力」が急速な発展を遂げた。今年第1~3四半期(1~9月)の同地域の新エネルギー車(NEV)生産台数は260万台を超え、これは10秒弱に1台のペースで新エネ車がラインオフしたことを意味する。

   長江デルタ地域は一貫して中国の重要な自動車産業拠点であり、今では新エネ車が「金看板」となっている。

   中国汽車工業協会(CAAM)のデータでは、1~9月の中国の新エネ車輸出台数は前年同期比2・1倍の82万5千台だった。上海税関によると、管内の1~9月の電気自動車(EV)輸出台数は47・6%増の42万台以上だった。

   新エネ車産業チェーンは長江デルタ地域に集積し、急速に発展している。1~9月の新エネ車生産台数は上海が91万5千台、江蘇が70万5千台、浙江が41万8千台、安徽が60万6千台に上り、合わせて全国の4割強を占めた。

   同地域の自動車生産の勢力図をみると、分業・協同構造の形成が加速している。上海は新エネ車の設計を行うとともに、新エネ車向けチップやソフトウエアなど「クルマの頭脳」となる部品を提供する。安徽省桐城市は「クルマの心臓」と呼ばれる車載電池の生産量が右肩上がりに増え続けている。江蘇省南京市では新エネ車の組み立て、ラインオフが盛んで、浙江省永康市では車載ソフトウエアのテストが行われている。

   同地域では新エネ車をめぐる「産業の4時間圏」が段階的に形成され、ハードウエアからソフトウエアに、設計から生産に至るまで生産の全工程を圏内で完結できる。

   米電気自動車(EV)大手テスラの上海工場を例に挙げると、同工場の産業チェーンの現地化率はすでに95・0%を超え、上海や江蘇省の蘇州市と南通市、浙江省寧波市などで「協力体制の4時間圏」を構築。車載電池や車載チップ、自動運転システムなど新エネ車部品のビジネス生態系全体を網羅している。

   安徽省合肥市で今年6月6日に開催された長江デルタ地域一体化発展ハイレベルフォーラムでは、同地域で世界的な新エネ車産業クラスターを形成するという新たな目標が打ち出された。

米電気自動車(EV)大手テスラの上海工場で作業する従業員。(資料写真、上海=新華社記者/周蕊) 

   中国汽車工業協会の許海東(きょ・かいとう)副技師長は「上海をはじめとする長江デルタ地域には自動車製造業の産業基盤が厚く、イノベーション・研究開発人材が集まり、情報技術が発達している。充電施設も整備が進み、応用場面が広がり続けており、これらすべてが新エネ車産業クラスターの形成に良好な土台を築いた」と述べた。

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