中国ECのキリモール、アフリカで急成長

中国ECのキリモール、アフリカで急成長

新華社 | 2023-11-23 16:35:29

   10日、ケニア・マロロンゴにある倉庫で働くキリモールのスタッフ。(ナイロビ=新華社記者/李亜輝)

   【新華社ナイロビ11月23日】中国人創業者が2014年にケニアで立ち上げた電子商取引(EC)プラットフォーム「キリモール(Kilimall)」はアフリカに根を下ろし、中国・アフリカ双方向のオンライン買い物プラットフォームとして現地の人々に愛用されている。

  ケニア人のレイチェル(24)さんはネットショッピングが大好き。以前は複数のプラットフォームを比べて買い物をしていたが、ここ2年はほとんどキリモールでしか買わないようになった。「キリモールの商品はスタイルや色がとても豊富で、値段も高くない。各プラットフォームの中で最も送料が安く、配達も早い。注文から24時間以内に届く商品も多い。こうした買い物体験はケニアでこれまでなかった」と語る。

  ナイロビに住むスーザン・ワングイさんは18年からキリモールを利用している。「買い物をしに町に行く必要がなくなり、時間を省けるようになった。他のプラットフォームに比べて値段も手頃で気に入っている」と話す。

  東アフリカでは多くの人がこの2人のように、キリモールは商品の質が高く、品ぞろえが豊富で、価格が手頃、サービスが効率的だと考えている。

  キリモールで4年勤務し、現在はケニア倉庫シニアマネージャーを務めるケビン・ワンブア氏は「ケニアのユーザーは約500万人で全国に広がっている。すばやく品物を届けられることが顧客体験を高めている」と説明。

  当日配送の支えとなっているのは、中国ECの厳格で効率的な物流管理と、自社で運営する物流システム。アフリカに常駐する同社の呉米香(ご・べいこう)副総裁は、現地の状況を考えれば、サービスの品質を引き上げるには自社物流が不可欠になるとし、そのための投資はすぐに成果が出るものではないが、他社が歩まないその道を堅持してきたと強調。99・9%を超える在庫精度、48時間入庫率、24時間出庫率を実現しただけでなく、1500以上の宅配便受け取り拠点をケニア全域で展開しているとした。

  キリモールはケニア市場の開拓後、アフリカの他の国への進出も図っており、ウガンダとナイジェリアで事業を展開。22年末時点で登録ユーザーは千万人を突破、年間アクティブユーザーは720万人超となり、1年以内のリピート率は50%を超えている。

  サービスを提供する企業は8千社を超え、プラットフォーム上のテナント数は1万2千店、商品は100万品目を上回り、創出した雇用は5千人。キリモールの成長を示す数々のデータは、アフリカの人々の生活の変化と中小企業の成長を裏付けてもいる。

  昨年はケニア人の若者がキリモールに出店し、中国製テレビの販売で売上高が60万ドル(1ドル=約151円)を超えたことがニュースになった。キリモール創業者の楊涛(よう・とう)氏は「今年はこうした起業家が増えている」と語る。将来はオンラインの求人サービスも開始し、現地の就業を促進すると同時に、アフリカ市場を目指す投資家の人材探しを後押しする計画だ。さらに「中国の職業教育機関・団体ともパートナーシップを結び、海外でのオンライン職業教育の展開、アフリカの若者の能力向上で協力している」という。

  起業家とその精神はアフリカの発展を促進する積極的な力になっている。キリモールはこれを後押しするため「2044年ビジョン」を打ち出し、「遅くとも44年までに起業家100万人を支援、アフリカの消費者10億人にサービスを提供する」との目標を掲げている。pagebreak

   10日、キリモールのライブコマースで、ブラックフライデー商戦向けの商品を紹介するキャスター。(ナイロビ=新華社配信/劉婉晴)pagebreak

   10日、ケニア・マロロンゴにある倉庫で働くキリモールのスタッフ。(ナイロビ=新華社記者/李亜輝)pagebreak

   10日、ケニア・マロロンゴにある倉庫で働くキリモールのスタッフ。(ナイロビ=新華社記者/李亜輝)

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