中国でサイクリング愛好家が増加、若者の間で新たな流行に

中国でサイクリング愛好家が増加、若者の間で新たな流行に

新華社 | 2023-11-22 14:59:44

河北省遵化市にある公園内の道路で早朝からサイクリングを楽しむ愛好家。(11月1日撮影、遵化=新華社配信/劉満倉)

   【新華社北京11月22日】中国の多くの都市でここ数年、サイクリングを愛好する若者が増えている。街中を駆け抜け、自然豊かな田園風景を楽しむのが新たな流行になりつつある。

  中国安徽省合肥市に住むサイクリング愛好家の孟旭(もう・きょく)さんは、単に運動するだけのつもりでロードバイクを購入したのだが、わずか2カ月ですっかりサイクリングにのめり込んでしまった。サイクリングは室内スポーツに比べ手軽に始められ、時間の制約もない上、運動になるほか、街中や郊外の景色も楽しめるという。

江西省南昌市内の緑道でサイクリングを楽しむ市民。(資料写真、南昌=新華社配信/舒雯)

   自転車で走る時の解放感やリラックス感、没入感で、愛好家はさらに「はまって」しまうという。サイクリング歴6年になる譚傑(たん・けつ)さんは、自転車で走ると日々の暮らしや仕事での悩みを忘れ、不安から解放されるのだと語る。今年8月、初めて浙江省杭州市を訪れた周周(しゅう・しゅう)さんは、西湖風景区の楊公堤(ようこうてい)沿いを40分かけてサイクリングしたが、これまでに味わったことがないほど楽しめたという。信号がほとんどないので、止まることなく走れる上、同市が提供するシェア自転車「小紅車」は1時間までなら無料で借りられるので、お金をかけずに西湖の景色を楽しめた。今や、周さんにとって自転車は外出や旅行をする際の必需品となっている。

  中国各地の都市計画部門も、このサイクリングブームの後押し役に加わろうとしている。環境に配慮した「グリーン外出」が一般に浸透するにつれ、各地で都市計画が最適化され、ハードウエア・ソフトウエアとも条件が改善し、安全かつ安定した友好的なサイクリング環境が整えられるようになった。四川省成都市ではサイクリングコース「天府緑道」を11本、北京市では河川沿いに放射状のサイクリングコースを12本整備した。また、広西チワン族自治区南寧市では市内を流れる邕江(ようこう)沿いに青少年サイクリング・サービスステーションを設置し、定期的に講習会を開くなど愛好家にサービスを提供している。

安徽省合肥市小嶺南に広がるミューレンベルギア・カピラリスの花畑沿いの道に止められた自転車。(9月10日撮影、合肥=新華社記者/栾若卉)

  中国自転車協会が今年9月に発表したデータによると、国内の自転車保有台数は2億台を上回り、都市部の居住者が外出する際、100回のうち約30回が自転車での外出だったという。サイクリングがブームとなるのと同時に、自転車文化の普及により関連産業も急速に発展している。マウンテンバイクからロードバイク、折り畳み自転車、電動自転車まで、実にさまざまな種類の自転車が次々に登場。自転車用品も専門化・多様化がさらに進み、利用者に個性的で快適な選択肢を提供するようになった。自転車市場の規模は2027年までに2657億7千万元(1元=約21円)に拡大すると見込まれている。

  安徽省合肥市自転車運動協会の鍾先海(しょう・せんかい)事務局長によると、単なる移動手段だった自転車は、今やレジャーや流行のスポーツとしてのサイクリングに進化し、環境に優しく低炭素な生活様式を代表するものに発展した。サイクリングは、都市を体験し探索するための「より健康的に深く没頭できる方法」を提供しており、愛好家の仲間に加わる人が年々増えることで、低炭素型の外出を推進し、都市の活性化につながっているという。(記者/沈氷潔)

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