習近平主席、岸田文雄首相と会談(詳報)

習近平主席、岸田文雄首相と会談(詳報)

新華社 | 2023-11-17 22:50:51

   【新華社サンフランシスコ11月17日】中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席は16日、米サンフランシスコで日本の岸田文雄首相と会談した。

   両国指導者は中日間の四つの政治文書の原則と共通認識を順守することを再度表明し、戦略的互恵関係を全面的に推進するという両国関係の位置付けを再確認し、新時代の要求に合致する建設的かつ安定的な中日関係の構築に取り組むと表明した。

   習近平氏は次のように指摘した。今年は中日平和友好条約締結45周年に当たる。条約は中日の平和、友好、協力の大きな方向性を法律の形で確立し、両国関係の歴史における一里塚となった。両国関係は45年間、条約を含む中日間の四つの政治文書の導きの下、風雨を経たとしても全体的に発展の勢いを保ち、両国の人々に幸福をもたらし、地域の平和、発展、繁栄の促進にも積極的な役割を果たしてきた。現在の国際情勢は変化と混乱が入り交じり、リスクや課題が次々と現れている。中日両国の平和共存、世代友好、互恵協力、共同発展は、両国人民の根本的利益に合致する。中日関係は現在、過去を受け継いで未来を切り開く肝心な時期にある。双方は時代の流れに応じ、正しい方向を把握し、「歴史を鑑とし、未来を切り開く」精神に基づいて、国交正常化の初心を貫き、互いの発展を客観的かつ理性的に捉え、積極的で友好的な相互認識を確立し、矛盾と意見の相違点を建設的に管理して、「互いに協力パートナーとなり、互いに脅威とならない」という政治的共通認識を具体的な政策と実際の行動の中に体現しなければならない。

   習近平氏は次のように強調した。歴史や台湾地区などの重要な原則的問題は両国関係の政治的基礎に関わる。日本は信義を重んじ、中日関係の基礎が損なわれず、揺るがないよう確実に保証しなければならない。中日の経済的利益と産業チェーン・サプライチェーン(供給網)は深く融合しており、「スモールヤード・ハイフェンス(限定的な先端技術の厳重管理)」や「デカップリング(切り離し)とチェーン分断」を行うことは誰の利益にもならない。中国は質の高い発展とハイレベルの対外開放を推進しており、日本を含む世界各国にかつてないチャンスをもたらすだろう。双方は協力を深め、互いに成果を収め、世界の自由貿易システムを確実に守り、よりハイレベルの互恵・ウィンウィンを実現すべきである。両国はより高い見地に立ち、より広い視野を持ち、平和、協力、包容、融合を核心とするアジアの価値観を発揚し、真の多国間主義を実践して、開放的な地域主義を発揚し、地域一体化プロセスを推し進め、世界的な課題に共に対処しなければならない。

   習近平氏は次のように指摘した。日本の福島放射能汚染水の海洋放出は全人類の健康、世界の海洋環境、国際公共利益に関わる。日本は国内外の合理的な懸念に厳粛に対応し、責任ある建設的な態度で適切に処理すべきである。

   岸田氏は次のように表明した。今年は日中平和友好条約締結45周年の重要な節目に当たり、両国の古い世代の指導者が幅広い分野で友好関係の発展に尽力してきたことに両国民が思いをはせる良い機会となった。国際社会は現在、歴史的な転換点にある。日本は未来に目を向け、中国とのハイレベルの意思疎通と対話を強化し、両国関係の前向きな要素を増やして、平和共存を堅持したい。日本は中国との「デカップリングとチェーン切断」の意向はなく、民間の往来と人的・文化交流を引き続き推進し、デジタル経済、グリーン(環境配慮型)発展、財政・金融、医療・介護など各分野の実務協力を深めていきたい。日本は引き続き平和的発展の道を歩むことに尽力する。日中共同声明を堅持して台湾問題を処理する立場に一切の変更はない。

   双方は、中日輸出管理対話メカニズムの立ち上げを評価し、あらゆるレベルの対話と意思疎通を維持して、新たな中日経済ハイレベル対話、中日ハイレベル人的・文化交流対話を適切な時期に開催することで一致し、国際・地域問題で意思疎通と協調を維持し、気候変動などの世界的な課題に共に対処することを確認した。双方は、建設的な態度で協議と交渉を通じて、福島放射能汚染水の海洋放出問題を解決する適切な道を見いだすことで一致した。

   双方はまた、共に関心を寄せる国際・地域問題についても意見を交換した。

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