中国初のコンパクト型加速器質量分析装置、開発に成功

中国初のコンパクト型加速器質量分析装置、開発に成功

新華社 | 2023-11-10 16:22:15

   中国原子能科学研究院核物理研究所が開発した中国初のコンパクトな加速器質量分析装置。(資料写真、北京=新華社配信)

  【新華社北京11月10日】中国国有原子力発電大手の中国核工業集団(中核集団)は7日、中国原子能科学研究院(CIAE)核物理研究所が国内初のコンパクトな加速器質量分析(AMS)装置の開発に成功したことを明らかにした。システム全体の設置面積は約30平方メートルと従来型の3分の1まで縮小されており、中国の高機能放射能分析装置研究開発における大きな進歩を示すとともに、AMS装置の高感度分析利用に向けた基盤を築いた。

  AMSは微量元素の分析や希少な粒子の検出、微量な長寿命同位体の分析に用いる極めて重要な分析法で、極微量な核種の高感度測定を実現する。天体物理学、環境変化、海洋資源、バイオ医薬などの分野で幅広く利用されることから、AMS装置の小型化、コンパクト化が研究の焦点になってきた。

  研究チームは、AMS装置のコンパクト化を実現する上で大きな難題となっていた加速器のコンパクト化を巡って革新的な研究を進め、一連の重要技術でブレークスルーを実現。長さわずか1メートル、サイズは従来型の3分の1というコンパクトなAMS装置を開発した。装置はコンパクトさに加え、より高い性能や複数の核種測定が可能といった優位性も持つ。また、システムについても物理学、ビーム工学の観点から設計の最適化を行い、経済性が大幅に改善された。装置の伝送効率と測定感度がすでに実験による検証をクリアしている。

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