5日、「世界開放報告2023」発表会兼国際シンポジウムの会場。(上海=新華社記者/孟濤)
【新華社上海11月9日】中国上海市で5日、国際輸入博覧会(輸入博)の重要な行事である第6回虹橋国際経済フォーラムが開かれ、中国社会科学院世界経済・政治研究所と虹橋国際経済フォーラム研究センターが共同作成したリポート「世界開放報告2023」が発表された。リポートは最新の世界開放指数を公表し、2022年の世界の開放性には08年から続く全体的な低下傾向がみられたとして、世界の開放性を守り、拡大するには世界各国が共に努力し、歩み寄る必要があるとの見解を示した。
「世界開放報告」は21年に初めて発表された。今回発表の世界開放指数は29項目の具体的な量的指標に基づき、129カ国・地域の08年から22年までの開放度をランク付けしている。
22年の世界開放指数は0・7542で08年の0・7975から5・4%低下し、08年以降2番目の低さとなった。先進国・地域では7・7%低下し、新興・発展途上国・地域は4・8%上昇した。
中国社会科学院世界経済・政治研究所の張宇燕(ちょう・うえん)所長は世界開放指数について、低下が続いているものの、開放の原動力が解き放たれる可能性もあるとし、「科学技術の進歩、デジタル・スマート化、グリーン(環境配慮型)発展がモノ、サービス、情報などの流動の阻害要因を一段と減らし、開放の効果を向上させている」と説明した。
世界開放指数ランキングでは、シンガポール、ドイツ、中国香港特別行政区がトップ3に名を連ねた。中国は対外開放の拡大が大きな効果を挙げ、指数が08年の0・6789から22年には0・7517に上昇し、伸び率が世界トップクラスとなった。
リポートによると、23年の中国経済は回復・上向き傾向を示し、世界経済の自信と安定性を高めている。中国式現代化は自国の発展を実現するとともに、世界経済の回復に多くのプラスのエネルギーを注入し、開放型世界経済の実現により多くの安定性と新たなチャンスを提供している。
虹橋国際経済フォーラム研究センターの顧学明(こ・がくめい)理事長は「中国は開放・発展を進める中で世界経済と互いに影響し、成果をもたらし合っている。中国と世界の開放による良好な相互作用は開放への合意の模範例となり、自発的に開放し、人類運命共同体の構築を推し進めるという中国の善意と責任も内包している」と語った。