8日、二十四節気「立冬」の伝統行事や習慣を描いたイラスト。(北京=新華社配信/魏欣悦)
【新華社北京11月8日】8日は二十四節気の19番目、立冬に当たる。冬の最初の節気でもある。立冬の「冬」の字は古代中国語では「終」を意味し、万物が休養し保存状態に入ることを意味する。気候も雨が少なく乾燥した秋から、寒くいてつく冬へと移り変わる。
▽農作業の締めくくり
立冬の後、中国の一部地域の農作業は春、夏、秋に比べると一見、忙しくないようにも見える。秋の作物は収穫と天日干しをほぼ終え、穀倉に納められているが、農家の人たちは決して暇を持て余しているわけではない。海南省の一部地域では、地元のとりわけ恵まれた自然条件を生かしてウリ科の野菜を栽培し、華北地方と長江流域の一部では、それぞれ冬小麦とアブラナ科の冬菜の種まきに追われる。\
▽野菜の漬物作り
多くの地域では現在、ビニールハウスが整備され、冬でも新鮮な野菜が途絶えることはないが、北方各地では立冬後に野菜を貯蔵し、漬物を作る習慣を残している。ハクサイ、ダイコン、ジャガイモ、ネギなどはいずれも冬に欠かせない保存食であり、この時期にユキナやカラシナ、トウガラシなどを漬け、食卓に添える家庭も多い。
▽黄酒の醸造
立冬は、コーリャンやもみ米などの酒造原料を干して貯蔵する時期で、立冬醸造の習わしがある。浙江省紹興では立冬の日に黄酒(穀物醸造酒)の醸造を開始するのが慣習となっている。黄酒は、伝統に従って立冬前後に材料を投入して発酵させる。黄酒作りに最適とされる立冬から翌年の立春にかけての時期は「冬醸」と呼ばれる。
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黒竜江省富錦市の収穫が終わった畑で、農機を使って整地作業を行う農家の人。(10月24日、小型無人機から、ハルビン=新華社記者/謝剣飛)
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紹興酒の発祥地として知られる浙江省紹興市東浦鎮で観光客に試飲の酒を注ぐ酒蔵の「醸造師傅(酒造りマイスター)」。(2020年9月24日撮影、紹興=新華社配信/林光耀)