【新華社北京11月6日】中国の七門堰調蓄かんがい系統(安徽省)、洪沢古灌区(江蘇省)、霍泉かんがい事業(山西省)、白霓古堰(湖北省)が4日、2023年(第10回)の世界かんがい施設遺産に選ばれた。中国の施設の登録は34カ所となった。
国際かんがい排水委員会がインドのヴィシャーカパトナムで開いた第74回国際執行理事会で発表した。中国国家灌排委員会主席の陳明忠(ちん・めいちゅう)水利部農村水利水電司長は、中国のかんがい施設遺産には世界のかんがい施設のほぼすべての種類が含まれるとし、種類が最も多く、分布が最も広く、効果が最も際立つ国だと説明した。
安徽省舒城県の七門堰調蓄かんがい系統の建設は前漢時代にさかのぼる。湿地を利用し、かんがいや洪水対策、干ばつ対策で2千年以上にわたり重要な役割を果たし、現在も20万ムー(約1万3千ヘクタール)の農地をかんがいしている。
洪沢古灌区は江蘇省淮安市洪沢区にある貯水型かんがい施設で、貯水と取水、導水、排水の施設からなる。人々は後漢時代から水を引いて耕作し、各時代に施設を建設し、今も利用している。現在のかんがい面積は48万1300ムー(約3万2千ヘクタール)に上る。
山西省洪洞県の霍泉かんがい施設は唐の貞観年間から記録が残る。現在もかんがいや給水、生態、観光などで機能を発揮し、10万1千ムー(約6700ヘクタール)をかんがいしている。
湖北省崇陽県の白霓古堰は、石梘堰と遠陂堰の二つの古い堰があり、文献に残る創建年代は五代十国時代の後唐王朝期。今もかんがいや洪水対策、干ばつ対策、給水などに用いられ、かんがい面積は約3万5千ムー(約2300ヘクタール)に及ぶ。
今回新たに登録が決まったのは、中国の4施設のほかインド、インドネシア、イラク、日本、タイ、トルコなどの15施設。世界かんがい施設遺産の総数は159施設となる。