10月31日、工房「梅夫人」の中庭で撮影に応じる季双俊さん(左)と季資美さん。(麗水=新華社記者/翁忻暘)
【新華社麗水11月4日】中国で「95後」と呼ばれる1995~1999年生まれの若き陶芸家夫婦、季双俊(き・そうしゅん)さんと季資美(き・しび)さんは高校と大学の同級生で、共通の趣味を持つことから交際するようになった。
江西省景徳鎮市の陶磁工芸美術職業技術学院を卒業後、故郷の浙江省竜泉市に戻った2人は、市内を流れる甌江(おうこう)河畔の炉田村に工房「梅夫人」を立ち上げ、北宋様式の青磁の研究に取り組んでいる。古磁器から着想を得て北宋の名窯「竜泉窯」の再現に打ち込むほか、青銅器や金銀器、古衣装の文様を参考に伝統文化への情熱を磁器に注ぎ込んでいる。
ここ数年は梅の花や金銀器、半刀泥(乾燥した素地にナイフで彫刻を施す技法)などをテーマにした一連の作品を発表し、市場に受け入れられるようになった。資美さんは「インスピレーションは感情の賜物だが、創作は地に足を着けて行う必要がある」と説明。過去の模倣は手段であって、内面化することで初めて自分の考えや今の時代を反映させられるとした上で、今後も創作活動を通じて経験を積み重ねていきたいと語った。
竜泉窯は中国有数の古窯の一つで、三国~両晋時代(3~5世紀)に焼成が始まり、1600年にわたり窯火を絶やすことなく受け継がれてきた。うち、北宋期の竜泉窯は厚い胎土に薄い釉薬、変化に富む多彩な文様を特徴としている。
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10月31日、工房「梅夫人」で、中国の伝統的文様を参考に作品のデザインを話し合う季双俊さん(右)と季資美さん。(麗水=新華社記者/翁忻暘)
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10月31日、工房「梅夫人」で、素地に文様を施す季資美さん。(麗水=新華社記者/翁忻暘)
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10月31日、工房「梅夫人」で、素地に付いたホコリを吹き飛ばし、窯入れの準備をする季資美さん。(麗水=新華社記者/翁忻暘)
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10月31日、工房「梅夫人」で、釉掛け待ちの蓮弁文(れんべんもん)香炉の状態を確認する季資美さん。(麗水=新華社記者/翁忻暘)
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10月31日、工房「梅夫人」で、素地に釉掛けをする季双俊さん。(麗水=新華社記者/翁忻暘)
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10月31日、陶磁器文化研究家の蔡剣青(さい・けんせい)さん(左)宅で、古陶磁の破片を見る季双俊さん(右)と季資美さん。(麗水=新華社記者/翁忻暘)
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10月31日、陶磁器文化研究家の蔡剣青(さい・けんせい)さん宅で、試作した碗を北宋竜泉窯の碗(下)と比較する季双俊さんと季資美さん。(麗水=新華社記者/翁忻暘)
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10月31日、工房「梅夫人」の中庭で、訪れた陶芸家らと新作について語り合う季双俊さん(左から2番目)と季資美さん(右から2番目)。(麗水=新華社記者/翁忻暘)
10月31日、工房「梅夫人」で、訪れた陶芸家の友人らに自作の蓮弁文(れんべんもん)香炉を見せる季資美さん(左端)。(麗水=新華社記者/翁忻暘)