
ダグナトスの捕食想像図。(資料写真、南京=新華社配信/楊定華)
【新華社南京11月1日】中国科学院南京地質古生物研究所は、同研究所の古生物研究者が中山大学(広東省広州市)などと共同で実施した研究で1億年前のアリの捕食プロセス再現に成功したと発表した。古代の生物の運動や生活習性を知る上で重要な意義を持つという。
研究に用いたのは「地獄アリ」と呼ばれる古代のアリ、ハイドミルメクス(Haidomyrmex)の1種のダグナトス(Dhagnathos)。ハイドミルメクスは約1億年前の白亜紀中期に生活し、これまでに知られる最も古いアリの1種とされる。ダグナトスは頭に長い角、口の部分に牙のように上を向いた大きな顎を持ち、どう猛な顔つきをしている。
研究者は、ダグナトスが入った二つの琥珀(こはく)化石の3Dモデリングを実施し、上顎の立体構造と解剖構造を復元。得られた3Dモデルを基に化石に隠された運動の手掛かりをデジタル的に測定し、大顎の運動特性を定量的に分析した。
生体力学的な分析と実験によるさらなる検証を経て、大顎を前方に伸ばし、獲物を引っ掛けて自分の方に引き寄せるという1億年前のダグナトスの捕食プロセスも再現した。大顎は捕食面積を広げるために横方向にも一定の角度で開いていた。
研究を主導した同研究所の王博(おう・はく)研究員は「研究で使用した運動再現プロセスは他の古生物化石でも応用できる。3Dモデリングやマシンシミュレーションなどの新技術による古生物の運動の定量的な復元と再現は、われわれが古生物の生活の全貌をより細かく、ダイナミックに把握する上で大きな助けとなる」と語った。
研究成果はこのほど、科学誌「ナショナル・サイエンス・レビュー(NSR)」に掲載された。(記者/王珏玢)