遺跡の発掘作業にあたるスタッフ。(資料写真、衡水=新華社配信)
【新華社石家荘9月28日】中国河北省衡水市の文化財保護部門は、河北省文物考古研究院、衡水市と同市武邑県の文化財保護部門からなる合同発掘チームが、武邑県肖橋頭鎮前老君堂村の道観(道教寺院)遺跡で3カ月の発掘調査を実施したと発表した。調査は既に終了しており、遺構と出土品から宋代の遺跡と判断された。遺跡の発見は、宋代に同地で道教文化が流行していたことを説明している。
河北省文物考古研究院の郭済橋(かく・さいきょう)研究員によると、発掘チームは7月から9月にかけて約400平方メートルを調査し、建築遺構2カ所、水路跡1カ所、井戸2カ所、灰坑7カ所、かまど3カ所を発見した。遺物は建築部材や生活用品、生産用具などで、大半は宋代に属し、唐代と金代のものも少量分布していた。
武邑県文物保護所の賈桂虎(か・けいこ)所長は、2カ所建築遺跡が土台跡と道教建築跡だと説明。出土した磁器は技法や造形、装飾文様のすべてが明確な宋代の特徴を持つことから、チームの専門家が宋代の遺跡と確定したと明らかにした。今回の発掘については、道教文化の伝播と冀中南地区(河北省のうち北京市と天津市より南の地域)の当時の民俗文化や風土と人情を研究する上で重要な価値を持つとの見方を示した。(記者/馮維健)