杭州アジア大会 競技施設の気象予測を支える先進技術

杭州アジア大会 競技施設の気象予測を支える先進技術

新華社 | 2023-09-21 14:25:55

   浙江省淳安県の杭州アジア大会選手村淳安分村付近に設置された自動気象観測装置。(資料写真、杭州=新華社配信)

   【新華社杭州9月21日】スポーツの試合と天気の状況は密接に関わっており、正確な気象予測が試合の安全と順調な開催を支えている。中国浙江省杭州市で23日に開幕する第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)の気象サービスサイトを開くと、気温から降水、風向、風力、湿度に至る会場ごとの予測データが一覧化されている。

  アジア大会は10月8日までの日程で、杭州のほか寧波、温州、湖州、紹興、金華の浙江省内五つの共催都市で開催される。同大会気象センターによると、大会期間は台風や大雨、雷などが多発する時期に重なることから、気象部門は北京冬季五輪の開催経験を踏まえ、気象探査ネットワークの構築や先進探査技術の応用、スマート観測システムの構築などを通じて大会の順調な運営をサポートするという。

  開閉会式と陸上競技が行われる杭州オリンピックスポーツセンター「大蓮花」では、気象部門が場内と会場付近に複数の小型気象観測装置を設置し、スマートで立体的な気象ユビキタスセンサーネットワークを形成している。これらの機器は、人の皮膚のように会場周囲に張り巡らされることで気象観測の情報源を増やす。都市の気象状況をリアルタイムでモニタリングできるようになり、大会に重要な気象データを提供する。

  屋外競技は天候の影響を最も受けやすいことから、競技に合わせた気象サービスがより必要となる。杭州市桐廬(とうろ)県の桐廬馬術センターでは、気象部門が暑熱ストレス指数の予報方程式を確立。馬場のサンドダート(砂や合成繊維などの混合素材)の維持や馬屋の調温をサポートするほか、合理的な試合時間を提案できる態勢を整えている。

  大会気象センターによると、杭州大会の気象探査ネットワークは北京冬季五輪の観測システムの設計コンセプトを引き継ぐとともに、競技を踏まえて改善を重ねてきた。現在は56の競技施設で自動気象観測装置と大会特殊気象観測が導入されている。

  先進探査技術も気象観測を支える。紹興市の紹興柯橋羊山ロッククライミングセンターと野球・ソフトボールスポーツ文化センターでは、大会紹興気象保障チームがフェーズドアレー気象レーダーと人工知能(AI)によるマルチソースデータ融合とデジタル化の成果を駆使し「アジア大会紹興デジタル化気象工場」を構築。局地的な気象予報を実施し、分単位、100メートル単位のデジタル化気象保障システムを完成させた。

  「スマート」は杭州アジア大会の運営理念の一つであり、スマート気象観測は大会の安全かつ順調な開催をより効果的に保障している。一部の会場に導入された「天臉」認識システムはAIビデオ認識技術をベースとしており、分刻みで気象実況情報を提供し、精密化された気象予報警報サービスをデータ面で支える。

  杭州市は、気象部門や交通部門の監視カメラ資源を活用した専門的かつ高効率なスマート道路区間天気認識システムも構築。道路の天気状況を分刻みで表示し、カメラ設置点の可視範囲の気象状況を自動的に判断することで、大会開催時の市内交通に的確な気象情報を提供する。pagebreak

   杭州オリンピックスポーツセンター「大蓮花」付近に設置された自動気象観測装置(左下)。温度や降水、風向、風力などの変化をリアルタイムで観測する。(資料写真、杭州=新華社配信)pagebreak

   杭州市桐廬(とうろ)県の桐廬馬術センターに設置された自動気象観測装置(中央下)。(資料写真、杭州=新華社配信)pagebreak

   杭州市の三堡江沿いに立つ鉄塔の上に設置された自動気象観測装置。(資料写真、杭州=新華社配信)

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