雲南省に暮らす苦聡人

雲南省に暮らす苦聡人

新華社 | 2023-09-20 13:54:44

   バショウの葉で作った小屋で、家族と記念撮影する張普忠さん(左端)。(7月23日撮影、金平=新華社記者/費茂華)

   【新華社昆明9月20日】中国の少数民族ラフ族の支系「苦聡人」は、雲南省の鎮沅(ちんげん)イ族ハニ族ラフ族自治県や金平ミャオ族ヤオ族ダイ族自治県など哀牢(あいろう)山の山岳地帯に3万人余りが暮らす。苦聡人は「高山の人」を意味する。

  1949年の新中国成立以前は森の中で獲物を狩り、木の幹に住居を作るという原始的な生活をしていた。50年代初め、状況を把握した国が作業チームを派遣。粘り強い説得を経て、苦聡人は森を出て移住を始めた。国は特別予算を組んで農具や農耕用のウシ、衣料品、その他日用品を支給。苦聡人の生活は大きく改善した。

  原始的な生活に別れを告げた後も、苦聡人は多くの難題に直面。中でも貧困は最も難しい問題の一つだった。省政府は4千万元(1元=約20円)の特別予算を組み、98年9月より金平県者米郷で「毎年千人、5年で5千人の衣食問題を解決する」プロジェクトを実施。2004年には苦聡人を含むラフ族の衣食住と就学の目標がおおむね達成され、19の村で道路や水道、電気が開通して衣食問題がほぼ解決された。

  中国共産党第18回全国代表大会(十八大、12年11月)以降、哀牢山の奥深くで「貧困脱却の堅塁攻略戦」が行われた。各方面が苦聡人の難題解決に取り組み、産業開発による貧困救済を推進。苦聡人を含むラフ族の人々は19年、計画通りに貧困からの脱却を遂げた。

  金平県者米郷の下新寨村上納迷村に住む張普忠(ちょう・ふちゅう)さん(70)の住居は、政府が1990年に建築材料を一律支給した際に草ぶき屋根からスレート屋根に変わった。2021年には約17万元をかけて2階建ての鉄筋コンクリート住宅を建設。村ではきれいな戸建てが幾つも見られるようになった。苦聡人が住む山村では、今ではメタンガスや電気のかまどが使えるようになり、スマートフォンも普及。新世代の苦聡人は、大学や大学院に通う人も増えている。pagebreak

   金平県者米郷にある苦聡人の村落。(7月23日、小型無人機から、金平=新華社記者/陳欣波)pagebreak

   バショウの葉で小屋を作る張普忠さん夫妻。(7月23日撮影、金平=新華社記者/費茂華)pagebreak

   孫のためにバショウの葉で「服」を作る張普忠さんの妻、王素英(おう・そえい)さん(右から2人目)。(7月23日撮影、金平=新華社記者/費茂華)pagebreak

   金平県者米郷の上納迷村。(7月23日、小型無人機から、金平=新華社記者/楊植森)

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