北京市の鐘楼前を自転車で走る学生。(7月14日撮影、北京=新華社配信)
【新華社北京9月20日】米国ローズ・カレッジの学生、エレアノア・グレース・エルスワースさんはこの夏、複数の国の仲間とともに中国北京市の中央部を南北に貫く「中軸線」を自転車で走り、都市として数千年、国都として870年の歴史を持つ古都・北京の魅力を堪能した。
エルスワースさんは中国語を学んで約6年になるが、今回が初めての北京訪問で「サイクリングプログラムのおかげで北京の街をしっかりと探索でき、古都の魅力を肌で感じられた」と興奮気味に話した。
「サイクリングプログラム」は、北京大学インターナショナルサマースクールが今年新設した英語で行われるプログラムで、中国や米国、フランス、スウェーデン、オーストラリア、マレーシアなど七つの国と地域の学生51人が参加した。学生は北京の歴史や文化、サイクリング技術、関連法規、車両メンテナンスなど、理論と実技の双方から学び、競技にも参加する。
プログラムの責任者で北京大学体育教研部スポーツ人体科学教学実験室主任、中国大学生体育協会自転車分会常務副秘書長の盧福泉(ろ・ふくせん)博士は「各国の大学生に、皇室建築の壮麗さと文化を含む古都・北京の悠久の歴史を、サイクリングを通して体験してほしい」と話す。
プログラムには六つの代表的なサイクリングコースが設定されており、学生は金、元、明、清4王朝の国都だった時期の歴史と文化を探訪する。コースには、故宮や天壇公園、景山公園、前門、雍和宮など人気の名所だけでなく、多くの博物館や会館、戯楼、劇場、著名人の故居も含まれている。
北京市は2011年、「北京中軸線」を世界遺産として申請する方針を打ち出し、今年、国際連合教育科学文化機関 (ユネスコ) の世界遺産センターに申請書類を提出した。世界遺産への登録を目指し、中軸線の歴史的景観の復元に力を入れている。こうした背景から、中軸線は同プログラムの重点コースの一つになっている。
全長7・8キロの中軸線は13世紀に形成された。北端の鐘鼓楼から万寧橋、景山、故宮、端門、天安門、外金水橋、天安門広場とその建築群、正陽門(前門)、中軸線南側道路遺構を経て南端の永定門に至る。両側には太廟と社稷壇(しゃしょくだん)、天壇と先農壇がそれぞれ東西対称に配置されている。
盧博士の引率により、学生たちは中軸線にあるポイントを10カ所以上巡り、一部の名所では内部の見学も行った。エルスワースさんはサイクリングを通して、金中都遺跡公園と元大都城壁遺跡公園に最も魅了されたという。「数百年前の古い遺跡がにぎやかな現代都市と共存し、今もなお人々が関心を寄せている。そこに座るとタイムスリップしたような不思議な感じだった」と話した。
「この数日間、北京で見たあらゆることを永遠に忘れない。全てがとても美しかった」とプログラムが終了し間もなく北京を去るエルスワースさんは名残惜しそうに話し、美しい北京中軸線が世界遺産に登録され、自身もいつかまた中国を訪問できることを願った。(記者/魏夢佳)pagebreak
永定門城楼前で記念撮影する学生。(7月14日撮影、北京=新華社配信)pagebreak
サイクリングで訪れた故宮午門前で記念撮影する学生。(7月13日撮影、北京=新華社配信)pagebreak
「鳥の巣」の前で記念撮影する学生。(7月14日撮影、北京=新華社配信)pagebreak
北京市の金魚胡同で学生を先導する盧福泉(ろ・ふくせん)氏(右端)。(7月11日撮影、北京=新華社配信)