特色あふれる北京伝統のグルメを探る

特色あふれる北京伝統のグルメを探る

新華社 | 2023-09-16 16:47:22

   北京市のレストラン「全聚徳」王府井店で出された北京ダック。(5月3日撮影、北京=新華社記者/任超)

   【社北京9月16日】中国の北京料理は牛肉と羊肉を主とするムスリム料理、帝室から伝わった宮廷料理、細やかな技巧で海鮮料理を得意とする「譚家菜」、さらに他の省・市の料理で構成される。北京料理は一般的な食材をおいしく調理することを得意とし、味付けが広く大衆に好まれ、中国を代表する料理体系の一つとなっている。

pagebreak

   北京市海淀区の商業施設、北京世紀金源ショッピングモールのレストランで北京ダックを切り分ける従業員。(2022年12月25日撮影、北京=新華社記者/任超)

   ムスリム料理は牛肉と羊肉を主な材料とし、北京料理の中で重要な位置を占める。羊の各部位を使った100種類以上の料理を出す「全羊席」が代表格に挙げられる。

pagebreak

   北京を代表する小吃の一つ、ジャージャー麺。(資料写真、北京=新華社配信)

   宮廷料理も北京料理の中で目立つ存在であり、貴重な食材、繊細な味付け、優雅な名称といった特色を持つ。現在では多くが明・清代の宮廷を由来としており、「抓炒魚片」(切り身魚の衣揚げ炒め)、「紅娘自配」(エビと豚肉の合わせ揚げ)、「脯雪黄魚」(揚げたフウセイのソースがけ)などがある。

   代表的な北京料理の一つ「京醤肉絲」(豚肉のみそ炒め)。(資料写真、北京=新華社記者/呉寒氷)

   譚家菜は官僚にふさわしい料理として発展した。素材の味を大切にし、材料を惜しまず、熟練の技で作られる。看板料理は「黄燜魚翅」(フカヒレのスープ煮)で、各種フカヒレ料理の頂点とされる。

   山東料理も北京料理の礎として、形成に大きな影響を与えた。

pagebreak

   北京市の羊肉しゃぶしゃぶ店「東来順」で食事を楽しむ客。(2020年6月14日撮影、北京=新華社記者/彭子洋)

   北京料理の中で最も特徴的なのは、北京ダックと羊肉のしゃぶしゃぶだろう。北京ダックは濃厚な味わいながらも決して油っこくない。「羊肉火鍋」とも呼ばれる羊肉のしゃぶしゃぶは元々北方少数民族の料理で、遼代の墓の壁画にも鍋を囲む人々が描かれていた。現在は多種多様な材料を使い、格別の味が生み出されており、多くの人が作り方を知っている。

pagebreak

   北京市の護国寺小吃店で作られた「豆汁」と「焦圏」(揚げドーナツ)。(2022年7月13日撮影、北京=新華社記者/李欣)

   手軽な軽食「小吃(シャオチー)」も各地の精華を取り入れつつ、独自の風味を形作ってきた。かつて北京には200種類以上の小吃があり、庶民にとって安価で身近な存在だった。おかずや酒のつまみになる惣菜、宴席で供される面点(小麦粉などで作った食品)、おやつや朝食、夜食になるさまざまな食品を含み、中でも特に北京らしいのは「豆汁」(緑豆の絞り汁を発酵させたもの)、「炒肝」(豚のもつ炒め)、「麻豆腐」(発酵した緑豆のおから炒め)、ジャージャー麺などだ。

pagebreak

   北京を代表する小吃の一つ「麻豆腐」。(資料写真、北京=新華社記者/邢広利)

   中国烹飪(ほうじん)大師の称号を持つ料理人の杜広貝(と・こうばい)氏は「各料理体系の逸品が北京に入り、地元の文化や習慣、味覚と融合し、調理法や味付けなどが改良、昇華、刷新され、新たな料理や料理名が生まれたことで独特の風格が形成された」と説明し、北京料理の神髄は融合と包容だとした上で「各料理体系の精華が集まったことは、北京が持つ高い包容力を示し、各地の味の融合は国都ならではの気風を表している」と語った。(記者/彭純、楊珏)

pagebreak

 宮廷料理の一つ「紅娘自配」。(資料写真、北京=新華社配信)

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@126.com までご

連絡ください。