中国代表「日本は国際監視を受けなければならない」 IAEA理事会で

中国代表「日本は国際監視を受けなければならない」 IAEA理事会で

新華社 | 2023-09-14 11:06:47

   【新華社ウィーン9月14日】中国の李松(り・しょう)在ウィーン国際機関常駐代表は11日、国際原子力機関(IAEA)の9月理事会で、日本の一方的な福島放射能汚染水の海洋放出開始を厳しく非難し、日本に厳格な国際監視を受入れるよう厳粛に促した。李氏の発言要旨は次の通り。

   日本政府は8月24日、国際社会の強い疑問と反対を無視し、一方的に福島放射能汚染水の海洋放出を開始した。歴史はこの日を記憶するだろう。福島放射能汚染水の海洋放出は重大な原子力安全問題であり、国境をまたぐ、長期的で深い影響を持つ。日本一国だけの事柄では決してない。12年前に起きた福島原発事故は、既に深刻な災禍をもたらしている。日本には最も責任ある、最も安全で、最も確実な方法で福島放射能汚染水を処理し、海洋環境と世界各国人民の二次的被害を防止する責任と義務がある。海洋放出は福島放射能汚染水を処理する唯一の選択肢ではなく、最も安全で最も責任ある選択肢でもない。

   日本は、海洋放出以外の処分方法について包括的、総合的な評価を行うようIAEAに要請しておらず、海洋放出の決定を一方的にIAEAに、世界に押し付けた。IAEAが日本の要請に応じて実施した放射能汚染水の海洋放出に対する安全評価は、技術支援や諮問評価の性質に属し、国際法上の効力を持たない。評価報告書の内容と結論は技術作業チームの合意を得ていない。IAEA事務局長も評価報告書の中で、報告書は日本の海洋放出政策を推奨するものでも、承認するものでもないことを明確に指摘している。日本はIAEAの評価報告書をほしいままに利用し、海洋放出の開始を強行し、IAEAの権威と公的信用性を著しく損ない、周辺国の人々の健康と海洋環境権益を著しく損ない、世界の原子力エネルギー事業の安全と発展利益を著しく損なった。

   日本が一方的に海洋放出を開始した状況において、IAEAは長期的かつ効果的で、日本のコントロールを受けない国際監視枠組みの構築を非常に必要としている。誠実さを欠く東京電力と独断専行する日本は必ず厳格な国際監視を受けなければならない。IAEAが日本の海洋放出段階で行う公正で独立した客観的な安全評価は、IAEA加盟国の主導と参加、定期的な審議に基づき確立されるべきである。加盟国と理事会は関連する国際監視枠組みの構築過程で主導的な役割を果たすとともに、日本の海洋放出問題と国際監視枠組みについて定期的に審議を行わなければならない。IAEA事務局は加盟国、特に利害関係国に対し、福島で実施するサンプル採取やモニタリングなどの活動について早急かつ包括的で詳細な説明をする必要がある。各方面の懸念と意見、提案に真剣に耳を傾け、IAEAが主導し、利害関係方面が確実に参加する長期的かつ効果的な国際監視枠組みの形成に着目しなければならない。

   日本代表が「多核種除去設備(ALPS)で浄化した『処理水』は安全無害であり、通常運転時の原子力発電所の排水と変わらない」「海洋放出は科学的かつ合理的であり、処理プロセスは国際社会に対し公開性と透明性を維持している」と詭弁を弄すと、李松氏は答弁権を行使して厳しく反論。次のように指摘した。

   日本の海洋放出の開始前後、日本と近隣諸国の大衆感情は憤激していた。いかなる責任ある政府も、日本の海洋放出に断固反対する多くの民衆の強い声を無視するようなことはしない。日本はこの声に耳を貸さず、海洋放出の決定をひたすら国際社会に押し付け、手立てを尽くして責任逃れをし、自らを正当化した。これは徹底的な政治化である。日本は原発事故で生じた放射能汚染水と世界各国の原子力発電所の通常運転で生じる放射能排水を一緒くたにしており、原子力安全の科学常識から完全に逸脱している。

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