8月24日、富陽ウオータースポーツセンターの中庭。池の水は雨水を再利用している。(杭州=新華社記者/徐昱)
【新華社杭州9月13日】中国元代の画家、黄公望(こう・こうぼう)が水墨画の傑作「富春山居図」を生んだ浙江省杭州市の富春江一帯が、23日に開幕する第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)の競技場となる。
山水画で漁夫が舟に揺られながら釣り竿を垂れていた川は、アスリートたちが力の限りボートを漕ぐ試合会場となり、最初の金メダルがこの水域から生まれる。
富陽ウオータースポーツセンターは同市富陽区を流れる北支江の南岸に位置する。ウオータースポーツセンターとカヌースラローム場の二つの施設からなり、延床面積は6万7千平方メートル。ボートやカヌー(スプリントとスラローム)などの競技が行われ、金メダル30個が誕生する予定。第4回アジアパラ競技大会のボート、カヌーなどの競技も行われ、金メダルが15個生まれる。
8月24日、緑に覆われた屋根が特徴的な富陽ウオータースポーツセンター。(小型無人機から、杭州=新華社記者/徐昱)
施設の最上階にはテクノロジー感満載の美しい「空中花園」があり、全体の緑化率は45%に上る。炭素固定・酸素放出、断熱・保温、雨水の流出低減という三大機能も備え、都市環境に貢献する。
射撃やアーチェリー、近代五種の3競技の試合会場やトレーニング会場となる富陽銀湖スポーツセンターでは、金メダルが計47個誕生する。アジアパラ大会でも射撃とアーチェリーの試合が行われ、金メダルが計28個生まれる予定となる。
富陽銀湖スポーツセンターを見学する人々。(2022年7月29日撮影、杭州=新華社記者/徐昱)
同センター最大の特徴はカーテンウォールで、施設運営保守担当の呉嘯(ご・しょう)副主任によると、3万4千枚余りのアルミ合金製ルーバー(細長い板状の部材)からなるカーテンウォールは、各ルーバーの回転軸が特定の角度に調整されており、デジタルシミュレーションやナンバリング管理、モジュール制御などのプロセスを通じて、さまざまな投影面積で「富春山居図」を流れるように描き出すことができる。
射撃総合館はアジア大会終了後、改修を経て市民に開放される予定で、射撃のトレーニングや試合の場となるほか、総合的なレジャースポーツセンターに生まれ変わる。来場者は改修後も、目の前に広がる「富春山居図」を引き続き楽しむことができる。(記者/張璇、段菁菁)