【新華社北京9月13日】中国外交部の毛寧(もう・ねい)報道官は12日、日本による福島原発事故汚染水の海洋放出は前例がなく、各国の重大な利益と懸念に関わると指摘、いかなるモニタリングも日本の放射能汚染水の海洋放出を認めるものではなく、日本が求める放射能放出の正当性と合法性を与えることはできないとした上で、日本に対し、世界に放射能汚染リスクを転嫁するのを直ちにやめるよう求めた。
毛寧氏は記者から、国際原子力機関(IAEA)が公式サイトで、同機関が福島原発付近の海域で実施した海洋放出後初のサンプル採取と検査で海水中のトリチウム濃度が日本の規制値を下回っていることを確認したと発表したことや、グロッシ事務局長が「IAEAは国際組織として、国際社会を代表して日本の海洋放出活動を監視することができる。さらに他国に監視参加を求めることは、各国にイランの核施設監視に参加するよう求めることと同じだ」と述べたことについてコメントを求められ、次のように述べた。
日本による福島原発事故汚染水の海洋放出は前例がなく、各国の重大な利益と懸念に関わる。IAEA事務局の現在のいわゆる日本に対するモニタリングは、理事会が権限を授けた訳でも、加盟国が十分な議論した訳でもなく、事務局が日本に提供する技術コンサルティングと支援活動にすぎず、国際性と独立性を欠いている。
放射能汚染水は既に7800トンが海洋に放出されたが、国際社会は今もIAEA事務局の具体的な監視計画を知らされていない。国際社会は、隣国などの利害関係者が十分に、実質的に参加する長期的に有効な国際監視メカニズムの構築と、監視する放射性核種の種類や頻度、地点、範囲、報告などに関する詳細プランの策定を求めている。日本とIAEA事務局は、厳粛かつ責任ある態度で対応すべきである。
いかなるモニタリングも日本の放射能汚染水の海洋放出を認めるものではなく、日本が求める放射能放出の正当性と合法性を与えることはできない。日本は世界に放射能汚染リスクを転嫁するのを直ちにやめるべきだ。