中国の科学者、高山でいん石クレーターを初めて発見

中国の科学者、高山でいん石クレーターを初めて発見

新華社 | 2023-09-13 14:54:51

   吉林省通化市の白鶏峰国家森林公園で見つかったいん石クレーター。(小型無人機から、資料写真、通化=新華社配信)

  【新華社北京9月13日】中国の科学者が初めて高山でいん石クレーターを発見し、その成果がこのほど英文学術誌「極限条件下における物質と放射」(MRE)に掲載された。

  北京高圧科学研究センターの責任者によると、世界には米アリゾナ州のバリンジャー・クレーターやオーストラリアのウルフ・クリーク・クレーターなど有名ないん石クレーターが多数存在し、中には国際観光地になっているものもあるが、高山でいん石クレーターが発見されるのは今回が初めてだという。

  今回新発見のいん石クレーターは、中国吉林省通化市の南東20キロ余りに位置する白鶏峰国家森林公園の山頂にあり、直径は約1400メートル、縁の最高点から最深部までの高低差は400メートル余りで、巨大なじょうごを山頂に掛けたような圏谷(カール)地形をしている。

  同公園では以前から、白鶏峰山頂が現地で「天石」と呼ばれる大量の岩の破片で覆われていることはよく知られていた。その「天石」が山頂や斜面に積み重なって「石の滝」も形成しているが、「天石」の由来についてはこれまで謎だった。

  発見者の一人で、北京高圧科学研究センターの陳鳴(ちん・めい)研究員は、小惑星が地球の平面に衝突するとおわん状のクレーターになるが、特殊な地形の地表に落下した場合は、爆発点の衝撃波が伝わる形態やメカニズムが山脈の走向など地形によって変化すると説明した上で、白鶏峰は主に原生代の堆積岩やジュラ紀の花こう岩などの基盤岩からできており、小惑星の衝突に伴う猛烈な爆発と岩石の飛散によって巨大なクレーターが生まれ、山体が変化して前白鶏峰と後白鶏峰という二つの峰に分かれたとの見解を語った。

  また、現在山頂や斜面に点在する「石の滝」は、小惑星衝突時にクレーターの縁に放出された砂岩や花こう岩などの岩石の砕片が堆積したものだと説明、今回の新発見により白鶏峰の「天石」誕生の謎が解明されたと述べた。(記者/張漫子、張博宇)pagebreak

   いん石衝突によってできた岩石の砕片と衝撃による変化を示すイメージ図。(通化=新華社配信)

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