【新華社成都8月31日】中国四川省のクリーンエネルギー拠点「雅礱江流域クリーンエネルギー基地」で設備容量最大となる新エネルギープロジェクト、扎拉山太陽光発電所がこのほど、起工した。同省の電力システムの電源構造を最適化し、電力供給保障能力を高め、成渝(成都・重慶)地区双城経済圏の建設と同省の経済・社会の質の高い発展に新たな原動力を注ぐと期待される。
雅礱江扎拉山太陽光発電所の完成予想図。(成都=新華社配信)
同基地は中国で3番目に大きい水力発電拠点で、水力発電所のほか、太陽光発電や風力発電などの新エネルギー発電施設からなる。扎拉山太陽光発電所は、同基地が第14次5カ年規画(十四五、2021~25年)期間に実施する新たな百万キロワット級の太陽光発電所で、四川省が「十四五」期間に計画する重点再生可能エネルギープロジェクトでもある。涼山イ族自治州塩源県の標高3200~4200メートルの高地に建てられ、投資額は60億元(1元=約20円)を超える。25年に系統連系を実現する計画で、設備容量は117万キロワット、年平均発電量は21億5千万キロワット時に上る。石炭消費量を標準炭換算で65万トン減らし、二酸化炭素(CO2)排出量を180万トン削減するとされる。
雅礱江流域は四川省の重要なエネルギー拠点であるとともに、西部の電力を東部に送る国家エネルギー戦略「西電東送」の主なエネルギー拠点でもある。雅礱江流域で稼働を開始した水力発電と新エネルギー発電の設備容量は現時点で2100万キロワットに迫り、水力発電プロジェクト372万キロワット、新エネルギー・揚水発電プロジェクト262万8千キロワットの建設も進む。同基地の完成後の設備容量は1億キロワットを超え、年間発電量は3千億キロワット時に上り、CO2排出量を年間2億5千万トン、石炭消費量を年間9千万トンそれぞれ削減、グリーン電力として顕著な炭素排出削減の効果を発揮する見通しだ。