ブラジル・サンパウロ州サンジョゼ・ドゥスカンプスで、BYDの電動バスと写真を撮る観光客。(7月12日撮影、サン・ジョゼ・ドス・カンポス=新華社記者/王天聡)
【新華社ブラジリア8月28日】ブラジルのサンパウロ大学経済・国際研究所のマルコス・ピレス主任はこのほど、新華社の単独インタビューに応じ、ブラジルと中国による自国通貨決済は「さらに公平な国際金融秩序の構築に向けた重要な一歩」になったと語った。
中国人民銀行(中央銀行)は2月27日、ブラジル国内に人民元決済機関を設けることでブラジル中央銀行と合意し、協力覚書に調印した。ブラジル政府は3月29日に中国との間で自国通貨を用いた貿易決済を行うと宣言した。
同氏は、自国通貨による決済は取引コストの引き下げに有利とし、「金融の視点からすれば、大量のレアルと人民元建ての資本を創出し、直接投資を促進する」と述べた。
第3回中国国際消費品博覧会で、ブラジル産コーヒーの試飲コーナーで足を止める来場者。(4月14日撮影、海口=新華社記者/楊冠宇)
また「ブラジル企業による中国産業チェーン、特に電気自動車(EV)、クリーンエネルギー、バイオテクノロジー、精密農業などへの参加を奨励する」とした。両国は社会の統治、例えば安全保障、健康、公衆衛生、公共管理などを網羅するスマートシティー建設分野で大きな協力の余地があると指摘する。
協力覚書はすぐ大きな影響をもたらすことはないが、長い目で見れば、中国が世界の多くの国にとって最大の貿易相手先である地位が確かになるにつれ、その影響力はますます深遠なものとなるだろう。中国と同様の覚書を締結する発展途上国が増えるにつれ、世界の貿易と投資情勢に大きな変化が生じるはずである。
同氏はまた、クロスボーダー人民元決済システム(CIPS)が一つの非常に重要なイノベーションであるとし、国際システムの民主化につながり、開かれた国際経済が特定の国の独自利益に縛られないことを確保するとの見方を示した。