中国、抗アンモニア毒化の燃料電池陽極触媒開発

中国、抗アンモニア毒化の燃料電池陽極触媒開発

新華社 | 2023-08-28 21:46:06

   【新華社合肥8月28日】中国科学技術大学はこのほど、同大の高敏鋭(こう・びんえい)教授率いる研究チームが高抗アンモニア毒化のニッケルベースのアルカリ膜燃料電池陽極触媒を開発、アンモニアが存在する条件下で、初期ピーク出力密度と初期電流密度は商業ベースの白金‐炭素(Pt/C)触媒を大きく超えていると発表した。

   水素酸素燃料電池は高い比エネルギーやゼロエミッションなどの長所がある。だが、商業ベースのPt/C触媒は水素ガス燃料中の微量のアンモニアガスで毒化されて不活性化を招きやすい。また、アルカリ膜燃料電池では、白金ベース触媒の水素ガス酸化反応(HOR)キネティクス(速度)が遅く、それとアンモニア毒化の協同作用によって電池の性能の衰退が加速する。従って、高活性、高抗アンモニア毒化の新型陽極触媒の設計はアルカリ膜燃料電池の実用化で早急な解決の待たれる難題となっている。

アンモニア毒化の仕組みと電子状態制御の見取り図。(資料写真、合肥=新華社配信)

   近年、高教授の研究チームはアルカリ膜燃料電池の非貴金属電極触媒の開発・応用研究に力を入れてきた。今回の研究で、研究者はクロムをモリブデン・ニッケル合金にドープするとアンモニアの吸着を大幅に弱められることを発見した。さらに高抗アンモニア毒化のニッケルベースのアルカリ膜燃料電池陽極触媒を開発すると、アンモニアが存在している条件下で、その初期ピーク出力密度と初期電流密度が商業ベース白金‐炭素(Pt/C)触媒を大きく超えていた。研究者の説明によると、今回の研究により、アルカリ膜燃料電池技術の実用化が一段と進むと見られるという。

   関連の成果は先ごろ、国際学術誌「米国化学会誌」に発表された。

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