【新華社ウィーン8月26日】中国の国際原子力機関(IAEA)常駐代表団の報道官は24日、日本政府が福島放射能汚染水の海洋放出を始めたことを受けて談話を発表した。海洋放出を「一方的かつ強引に開始した」と強く非難し、IAEAの権威と信頼性を著しく損ない、近隣諸国の人々の健康と海洋環境権益に重大な損害を与え、世界の原子力産業の安全と発展の利益を著しく損なうものだと指摘した。談話の内容は次の通り。
日本の福島放射能汚染水の処理は重大な原子力安全問題で、国境をまたいだ影響があり、決して日本だけの問題ではない。人類による原子力の平和利用が始まって以来、原発事故で生じた汚染水を人為的に海に放出した前例はなく、広く認められた処理基準もない。12年前の福島原発事故では、大量の放射性物質が海に流出するという深刻な災害が引き起こされた。日本は、私益のために地元住民や世界の人々に二次的な被害を与えてはならない。
日本は、IAEAが先月発表した包括報告書を利用して、放射能汚染水の安全性と無害性を誇張している。実際には、福島放射能汚染水の海洋放出計画に対するIAEAの評価は日本の一方的な委託に基づいて行われたものであり、技術支援や諮問評価の性質に属し、国際法上の効力はなく、日本の汚染水放出計画にいかなる合法性も正当性も付与することはできない。IAEAの評価範囲は日本によって厳格に限定され、海洋放出以外の考えられる処理方法も、放射能汚染水浄化装置の有効性や長期的信頼性も含まれていない。評価方法は主に日本が一方的に提供したデータや資料に基づき判断したもので、日本が一方的に採取した少量の放射能汚染水サンプルについて研究機関間の比較分析が行われたに過ぎない。データの真実性や情報の正確性はさらなる検証が必要であり、採取されたサンプルの独立性や代表性が著しく不十分な中で下された評価結論は、十分な科学的根拠と事実上の根拠を欠き、比較的大きな限界性と一面性がある。
日本は福島放射能汚染水の海洋放出を強行することで、全世界にリスクを転嫁し、人類の子孫に苦痛を引き継がせ、生態環境の破壊者、世界の海の汚染者となり、各国人民の健康権、発展権、環境権を侵害し、自らの道義的責任と国際法上の義務に背くことになった。中国は日本に対し、この誤った行為を直ちに停止するよう求める。