中国との分断「ドイツの利益に合致せず」 ドイツ人学者

中国との分断「ドイツの利益に合致せず」 ドイツ人学者

新華社 | 2023-08-21 16:20:10

   【新華社ベルリン8月21日】ドイツのシンクタンク、シラー研究所のヘルガ・ゼップ・ラロッシュ創設者兼会長はこのほど新華社記者の単独インタビューに応じ、「中国とのデカップリング(切り離し)にせよ、デリスキング(脱リスク)にせよ、いずれもドイツの利益に合致せず、最終的にドイツの経済に危害をもたらすだけだ」との見方を示した。

ドイツ・デュイスブルクから西安国際港駅に到着した「中欧班列」。(7月10日撮影、西安=新華社記者/張博文)

   同氏によると、「デリスキング」は言葉の遊びにすぎず、本質的には「デカップリング」を目指すものだとし、「実際にはドイツは中国からのいかなるリスクにも直面しておらず、中国は最も信頼できる貿易・経済パートナーの一つだ」と語った。

   ドイツと中国は経済的な結びつきが強く、利益も重なり合っている。経済的に見て「デカップリング」や「デリスキング」は自殺同然で、「中国との切り離しはドイツ経済の崩壊につながる」と指摘した。

   ドイツ国内には一部で中国との協力強化に反対する声があるが、完全にイデオロギーに基づくものだとした。中国はグローバルサウス諸国の貧困削減に大きく貢献をしていることは一部勢力の警戒を呼び起こし、イデオロギーのラベルで世界を分断しようとする人が出てきていると説明した。

安徽省合肥市にある大衆汽車(安徽)のEV専用プラットフォーム「MEB(モジュラー・エレクトリック・ドライブマトリックス)」の車体工場の一角。(5月29日撮影、合肥=新華社記者/杜瀟逸)

   ラロッシュ氏はさらに、ドイツはこうした地政学的意図から出た話術の罠に陥るべきではないと強調、ドイツの多くの産業団体が中国との「デカップリング」による危害について明確に警告を発しているとした。

   ドイツの現在の経済情勢については、エネルギー価格の高騰や企業の撤退などの問題に直面し、経済全体が脱工業化の危機に陥っているとし、中国との協力強化はドイツの経済が苦境から抜け出す唯一の選択肢だと指摘した。

   他国との科学技術開発での協力は生産力を高める効果的な手段だとし、「中国がこの分野でドイツの協力パートナーであることは明らかだ」語った。バイオサイエンス、デジタル技術、人工知能(AI)などはいずれも両国が協力を強化できる分野だと述べた。

   同氏はさらに、ドイツは中国とより緊密に協力し、共にグローバルサウス諸国の発展と繁栄を促進していくべきだと呼び掛けた。

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