【新華社貴陽8月18日】中国で制定後初めて迎える「全国生態の日」の15日、貴州省赤水市で「長江上流希少・固有魚類の司法保護および科学研究センター」が開所し、赤水河の保護は重要な一歩を新たに踏み出した。
長江上流の重要な支流の赤水河は、雲南、貴州、四川の3省を流れ、沿岸には数十種類の名酒の産地が点在する。しかし研究者の目には、同河川は極めて大きな科学研究上の価値を有する「長江の縮図」と映っている。源流では高原の魚類、上流では急流部の魚類、中流では緩流部の魚類が多く生息し、下流の魚は長江本流の魚類の組成と基本的に一致する。
これ以前に、中国科学院水生生物研究所の一部の専門家らは、数十年にわたって赤水河の保護と関連する科学研究を続けてきた。
2005年には長江上流の希少魚や固有種の魚類を対象とした国家級自然保護区が設立され、赤水河の源流から河口までが保護区に組み込まれた。同研究所は、赤水河で継続的かつ包括的な調査とモニタリングを行っている。
同研究所の劉煥章(りゅう・かんしょう)研究員によると、長期にわたる研究から、観光開発や乱獲などは程度の差はあれ、赤水河の生態環境に影響を及ぼすことが判明し、研究者らは赤水河の生態保護のさらなる強化を提案したという。
赤水河の保護は17年に再度強化され、長江で10年間の禁漁措置が実施されるのに先行して、禁漁措置が始まった。同研究所の劉飛(りゅう・ひ)副研究員は観測データを踏まえ、ここ数年で赤水河の種の多様性は年々増加していると指摘、長年姿を消していた水生生物の種も再び出現し、長江チョウザメ(Acipenser dabryanus)などの希少魚の個体数も年々増加していると説明した。
同研究所の殷戦(いん・せん)所長によると、今では赤水河流域は、長江流域における生態保護のサンプルになっているという。(記者/劉智強)