14日、節水耐乾イネ「八月香」雪花粳の収穫作業の様子。(上海=新華社配信/荘毅)
【新華社上海8月16日】中国上海市郊外の金山区廊下鎮にある「高標準の大型水田」で14日、上海市農業生物遺伝子センターの首席科学者、羅利軍(ら・りぐん)氏率いるチームが栽培した節水型で干ばつ耐性の高いイネ品種、「八月香」雪花粳の収穫が始まった。
長く行われてきた伝統的な稲作では、水田の周囲に給排水路とあぜを確保する必要があり、その面積は全体の7・5%以上を占め、農地の利用率を大幅に低下させていた。
節水耐乾イネ「八月香」雪花粳は、この問題を効果的に軽減した。金山区での試験栽培では、節水型で干ばつ耐性が高いという特長を生かし「乾地播種・乾地管理」方式を採用。湛水(水田)栽培を行わず、栽培過程において耕作層を深くすることで、降水を有効に利用できるようにした。
上海の従来型水稲は生育期間が長く、農地の占有期間も長いため、生産コストが高い。一方、「八月香」雪花粳の生育期間はわずか105日、1ムー(約667平方メートル)当たりの生産量は450キロに上り、品質も高い。
上海郊外では、節水耐乾イネ収穫後の「プラスアルファ栽培モデル」を採用、二期作のほか、トウモロコシ、レタス、チンゲンサイなどの二毛作も可能となり、都市農業にさらなる可能性をもたらした。
研究者によると、同品種は生態的価値が高く、乾地への直播きと乾地管理の栽培モデル採用により、炭素排出量の大幅削減を実現。窒素肥料の施肥量も相応に減り、稲作による環境汚染も軽減される。このため、炭素排出権取引などのメカニズムが整備されていく中で、節水耐乾イネの生態的価値はさらに明らかになるという。(記者/李栄)pagebreak
14日、生育期間が短く、収量が多く、品質が高い節水耐乾イネ「八月香」雪花粳。(上海=新華社配信/荘毅)