中国の若者、キャンプなど「山間エコノミー」ブームの火付け役に

中国の若者、キャンプなど「山間エコノミー」ブームの火付け役に

新華社 | 2023-08-16 16:29:35

   安徽省黄山市屯渓区の茶室で七輪を囲んでお茶を楽しむ人たち。(3月9日撮影、黄山=新華社記者/杜宇)

   【新華社太原8月16日】「1軒の茶館が若者のおかげで人気に火がつくとは思いもしなかった」。こう語るのは、中国山西省運城市の市街地南端の山腹に位置する茶館「山上喝茶」創業者の解瑞(かい・ずい)さんだ。この茶館は2022年末に試験営業を開始して以来、客の半数以上を18~30歳の若者が占め、シェアされ写真や動画がソーシャルプラットフォームでたびたび多くの注目を集めた。チャイニーズモダンスタイルの外観や木陰に置かれた席、センスの良い茶器や置物が評判を呼び、若者が足を運ぶ「新しいお気に入りスポット」になっている。

  「00後(2000年以降生まれ)」で新社会人の李黙然(り・もくぜん)さんは「私たちはただお茶を飲むために来たのではない。それよりも都市の高層ビルをしばらく離れ、山の中でこういう雰囲気と空間を楽しむためだ」と話した。

  茶館から数十メートル離れたところには広大なキャンプ地がある。涼しい夏の夜になると、山間に明かりを灯した大小のテントの姿が浮かび上がる。市街地から車で30分もかからない場所でバーベキューやキャンプファイヤー、都市の夜景を楽しむことができる。

  「山間エコノミー」はアウトドア用品の売り上げも伸ばした。電子商取引(EC)大手の京東集団(JDドットコム)が発表した7月の夏期アウトドアスポーツ用品売り上げランキングには、キャンピングカーや折り畳み椅子が名を連ねた。子連れキャンプで子どもが最も好きな活動は夜の星空観察で、それが天体望遠鏡の好調な販売にも直結している。

  企業情報サイト「天眼査」によると、14年以前は中国国内のキャンプ関連企業は数百社だったが、21年以降の新設数は9万社を超え、うち過半数が直近1年以内に設立された。

  今や「山派の若者」は都市と山を頻繁に行き来しながら新たなスタイルを作り出し続けており、山野には帰りたいが、山野にはこだわらないとしている。

  山での遊び方は数多く、若者は囲炉裏でお茶を飲みながら人生を語ったり、コーヒーを淹れて空を眺めたり、食材を持ってきて料理の腕をふるったりしている。旅行会社、北京郷遇旅游発展の李傑(り・けつ)総経理は、山間エコノミーの業態の魅力を高めたければ、キャンプや民泊、飲食、無形文化財などを有機的に融合し、より多くの可能性を創出する必要があるとの見方を示した。

  北京工商大学の周清傑(しゅう・せいけつ)教授は「若者が山間の雰囲気に喜んでお金を払うのは、消費理念の進歩の表れだ。同時に、山間の文化・観光を開発するには健全な関連サービスと商品供給を実現し、管理モデルを整え、観光客のアウトドア体験を向上させる必要がある」と語った。

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