「この世の地獄だった」 731部隊元少年隊員を独占取材

「この世の地獄だった」 731部隊元少年隊員を独占取材

新華社 | 2023-08-14 16:09:09

   【新華社東京8月14日】中国侵略日本軍第七三一部隊(731部隊)の元隊員で、細菌部隊の犯罪を証言するただ一人の存命者、清水英男さん(93)がこのほど、新華社の取材に応じた。

   1945年3月末から8月、敗戦前に日本に逃げ帰るまで、わずか4カ月余りの短い期間だったが、731部隊で目の当たりにした凄惨な世界、この世の地獄のような光景は清水さんにとって決して忘れることのできないものだった。

   「私は長野県で生まれた。45年3月末、14歳の時、学校の先生にハルビン行きを勧められた。先生は部隊で『見習い技術員』になると言ったが、どんな部隊で具体的に何をするのかは全く分からなかった」。

   「私と同期入隊の隊員は全部で34人おり、うち3人が『教育部実習室』に配属された。この建物の2階だ」。清水さんは「関東軍防疫給水部本部満洲第七三一部隊要図」の右下を指差しながら続けた。「私たちはさまざまな病原菌についての基礎知識を学び始め、その後、ネズミの体液を採取して病原菌があれば培養した。培養された病原菌が何に使われるのかは、当時の私には全く分からなかった」。

   「しばらくして教官が私に、実習を終えた後は細菌戦の専門技術員になりたいか、それとも外科医になりたいかと尋ねた。外科医になりたければ、少なくとも死体を3体、解剖しなければならない」。

   「私が外科医になりたいと言うと、教官は私一人を本部の2階にある標本室に連れて行った」。

   「私は多くの人体の臓器の標本を見た。種類はさまざまで、どれもホルマリンで満たされた瓶に漬けられ、いくつもの棚にびっしりと並べられていた。教官はこの時、臓器は全て『マルタ』の生体解剖実験で得られたものだと告げた」。

   「マルタ」は日本軍が実験のために捕らえた生きた人間を指す。資料によると、捕らえられた人々の中には中国の抗日闘士、女性や子どもを含む民間人、さらに朝鮮やソ連、米国の捕虜も含まれていた。

   標本室に言及すると、清水さんは話を続けられなくなった。少し間を置いて、記者が質問した。

   問:子どもの標本もあったと聞くが。

   答:そう、子どももあった。母親のお腹にいた胎児の標本、子どもの標本、たくさんあった。

   問:子どもの標本は一つではなかったのか。

   答:たくさんあった。一つではなく。子どもは解剖され、臓器を全て取り出されていた。

   問:生後数カ月からもう少し大きな子までいたのか。

   答:お腹に入っていた数カ月の胎児から、生まれてきた赤子までいた。本当に731は悪事の限りを尽くしたと思う。皆、罪のない子どもたちだった。

   標本室の光景は清水少年にとってあまりにも衝撃的だった。清水さんはその地獄のような光景が脳裏から離れず、何十年も経った今でも、かわいい自分の孫に会うたびに当時の恐ろしい光景を思い出し、過去の恐怖がよみがえって戦慄するという。

   ソ連は49年12月末、極東ハバロフスクに軍事法廷を設置し、日本の細菌戦戦犯12人を裁いた。731部隊の細菌製造部部長を務めた川島清は法廷で、部隊が実験により、中国や朝鮮、ソ連などの兵士と民間人3千人以上を殺害したと告白した。

   当時731部隊にいた清水さんは、まさか自分も細菌戦の「実験台」にされていたとは想像もしなかった。「部隊から支給された細菌入りの蒸しパンを食べたことがある。それまで自分も実験に使われていたとは知らなかった」と回想する。作家の森村誠一氏が多くの元隊員への取材を元に著したルポルタージュ『悪魔の飽食』を読んで初めて、自分も「実験台」にされていたことを知ったという。

   清水さんによると、731部隊は日本人隊員に対して細菌実験をしただけでなく、実験中に細菌に感染した隊員の生体解剖も行っていたという。

   清水さんは自らの経験を振り返り、「私が731部隊にいたのは4カ月余りに過ぎないが、自分の参加した部隊が他国を侵略し、人体解剖や細菌戦を行ったと後になって知り、心の底から後悔した」と話す。

   清水さんは2016年、飯田市の「平和資料収集委員会」が主催する平和資料展に家族で参加し、元731部隊隊員の胡桃沢正邦さんが残したメスなどの証拠品を見て、自分が731部隊の隊員だったことを公表すると決意。平和活動で日本軍の細菌部隊の犯罪を明るみに出した。以来、731部隊での経験を話す講演を続け、23年だけで6回演壇に立った。

   「事実は事実として厳粛に受け止めるべきだ。二度と戦争をしないことこそ、くみ取るべき最大の教訓だ」と語る清水さんは、軍事力強化を続ける近年の日本の現状を深く憂慮している。(記者/郭丹、李光正)

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