QAUで学生たちに中医薬の材料となる植物を見せるムシュタク・アハメド教授(右)。(5月18日撮影、イスラマバード=新華社配信)
【新華社イスラマバード8月11日】パキスタンのクエイド・イ・アザーム大学(QAU)の植物標本館には現在、18万点以上の植物標本が収蔵されている。同国最大のこの植物標本館で、QAUの中医薬(中国伝統医薬)用植物研究チームのリーダー、ムシュタク・アハメド教授は、パキスタンの伝統医薬の材料となる植物のうち約3500種が中国国内にも分布しており、両国間には伝統医薬の分野で非常に大きな研究協力の可能性があると説明した。
中国とパキスタンはここ数年、伝統医薬分野でさまざまな形の協力を進めてきた。この間、パキスタンの科学者が選んだ同国の伝統医薬材料植物の種子7種類が、中国の宇宙ステーションで6カ月間保管された後、地上に戻され、今年2月にパキスタンの科学者に返還された。両国の研究者は、この種子を使って育種や遺伝的安定性、薬効の物質的基礎や有効性、安全性に関する研究を共同で実施している。
QAUの植物学博士課程で学ぶイクラ・カユムさんとその家族は、一貫して病気治療に中医薬を用いてきた。カユムさんは修士課程在学中に、故郷の薬草の一部について研究を重ね、最近は6種類の中医薬を使った婦人科疾患の治療を研究している。
アハメド教授によると、パキスタン農村部の人々は自然が身近なため、伝統的に薬草を使って病気の治療をしてきた。またここ数年、肥満や糖尿病などの病気に悩む都市住民が増え続けており、中医薬への関心が高まっているという。
パキスタンの公衆衛生問題の専門家シマイル・ダウド・アライン氏は、中医薬の経験と技術は広大な発展途上国の医療と保健の実践に、極めて大きな助けをもたらすとの見方を示した。pagebreak
QAUで学生たちに中医薬の材料となる植物を見せるムシュタク・アハメド教授(右から1人目)。(5月18日撮影、イスラマバード=新華社配信)pagebreak
QAUで中医薬の材料となる植物を調べる学生たち。(5月18日撮影、イスラマバード=新華社配信)