中パ経済回廊、始動から10年で大きな成果

中パ経済回廊、始動から10年で大きな成果

新華社 | 2023-08-03 08:30:23

   【新華社イスラマバード8月3日】パキスタン政府は7月31日、首都イスラマバードで中国・パキスタン経済回廊(CPEC)始動10周年の祝賀式典を開いた。中パ経済回廊は「一帯一路」共同建設の重要な先行事業として、この10年で多くの成果を上げた。

   回廊の建設は2013年に始まり、15年には両国政府が50件を超える協力合意を締結。回廊を中心にグワダル港とエネルギー、インフラ建設、産業協力を重点とする「1プラス4」の協力枠組みを確立した。

パキスタン東部パンジャブ州にあるカロット水力発電所。(2022年6月22日撮影、イスラマバード=新華社配信)

   その後わずか数年の間に数多くのプロジェクトが着工、完成し、運用を開始した。サヒワル、カシム港、ハブの各火力発電所が商業運転を開始するとパキスタンの電力不足は17年以降大幅に改善され、カロット水力発電所やバハーワルプル太陽光発電所などの再生可能エネルギープロジェクトは同国のエネルギー構造を豊かにした。タール炭田1・2区石炭・電力一体化プロジェクトの商業運用開始は、エネルギー燃料の自給自足を後押しした。

パキスタン東部パンジャブ州にあるサヒワル発電所。(2021年5月28日撮影、イスラマバード=新華社記者/鄒淑華)

   パキスタン北部と中国を結ぶカラコルム道路(通称:中国・パキスタン友誼路)の第2期高度化改造プロジェクト、ラホールの都市軌道交通「オレンジライン」プロジェクト、ペシャーワル-カラチ高速道路も完成した。パキスタンのシャバズ・シャリフ首相は以前、回廊協力で得た利益は大きく、国内の道路の利便性が大幅に向上したと語った。

パキスタン南西部に位置するグワダル港。(2018年1月29日撮影、イスラマバード=新華社配信)

   グワダル港の建設も大きく進展した。港の運営を担う中国海外港口控股(COPHC)の于博(う・はく)董事長によると、同港では5万トン級バースを三つ持つ多目的ふ頭が完成し、港湾としての作業能力がすべて備わった。グワダル港自由区も第1段階の建設が完了。企業35社が進出し、投資額は30億元(1元=約20円)を超えた。

   在パキスタン中国大使館のデータによると、中パ経済回廊は22年末時点でパキスタンに計254億ドル(1ドル=約142円)の直接投資をもたらし、23万6千人の雇用を創出。高速道路510キロ、電力8千メガワット、基幹送電線886キロの新規整備を支援した。

   パキスタンのアジア生態文明研究・発展研究所のシャキール・ラメイ最高経営責任者(CEO)は取材に対し、経済回廊が間接的に創出した雇用機会はさらに多く、地元中小企業100社余りが恩恵を受けたと語った。

パキスタン・ラホールで、駅への入線を待つオレンジラインの地下鉄車両。(2020年10月26日撮影、イスラマバード=新華社記者/劉天)

パキスタン・グワダルで中国和平発展基金会と中国海外港口控股が共同で建設を支援したファキール小学校。(2017年3月22日撮影、イスラマバード=新華社記者/劉天)

パキスタン東部パンジャブ州のバハーワルプル地域にある中国の発電企業・興儲世紀(旧・中興能源)の太陽光発電所。(2016年6月7日撮影、イスラマバード=新華社配信)

カラコルム道路の第2期工事で建設されたハベリアン-マンセラ高速道路。(2019年11月18日撮影、イスラマバード=新華社記者/劉天)

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