7月14日、成都市内でスケートボードをする親子。(成都=新華社記者/王曦)
【新華社北京8月3日】中国四川省成都市の東安湖体育公園にあるメインスタジアムで7月28日夜、第31回FISUワールドユニバーシティゲームズ夏季大会(成都ユニバ)が盛大に開幕した。
スポーツは絆、文化は懸け橋である。成都は古代蜀文明の発祥地で「天府の国」と称され、「国家歴史文化名城」「世界美食の都」「中国最優秀観光都市」などの栄誉や「中国で最も幸福度の高い都市」への14年連続の選出を経て、魅力がますます高まっている。ジャイアントパンダや三星堆文化のシンボル「太陽神鳥」、伝統絹織物の蜀錦、四川料理、三国志、唐詩、地元の伝統演劇・川劇で行われる面の早変わり「変臉」など、悠久の歴史と文化が世界中の若者を引き付けている。大会を追いながら、成都の魅力を体験しよう。pagebreak
7月18日、成都市内の公式ライセンス商品ショップで商品を選ぶ市民。(成都=新華社配信/胥氷潔)
成都は「パンダの都」として知られる。大会マスコット「蓉宝(ロンバオ)」は市内の繁殖研究基地で飼育されている「芝麻(ジーマー)」がモデルで、会場内外の至る所にパンダがあしらわれている。温和でかわいいパンダは、中国伝統の開放と包容、多様性を受け入れる気質を体現しており、大会やパンダへの注目は中国と世界、人と自然が調和・共生する感動を伝えている。pagebreak
7月28日、開会式で点火される聖火台。(成都=新華社記者/李欣)
開会式の夜、聖火台に火がともり、まばゆい光が夜空に放たれた。メインスタジアムのドームや聖火塔の造形、幻想的な点火方法は、一貫して太陽神鳥をモチーフにしている。市内の金沙遺跡から出土した「太陽神鳥金飾」は3千年前の古代蜀文明に由来する。pagebreak
芙蓉や太陽神鳥などの模様が織り込まれた成都ユニバのメダルリボン。(7月7日、成都=新華社記者/胥氷潔)
大会のメダルに付けられた色とりどりのリボンは、中国四大名錦の一つで2千年以上の歴史を持つ「蜀錦」の製織技法で作られた。両面のメインカラーはそれぞれ青と赤で、芙蓉の花や太陽神鳥、格子模様などのモチーフを採用。リボンは自然光の下でさまざまな色を反射し、刺しゅうの美しさを余すところなく引き立てている。pagebreak
成都名物の火鍋。(資料写真、成都=新華社配信)
成都は国連教育科学文化機関(ユネスコ)が選定した「食文化創造都市」の一つで、四川料理の主な発祥地でもある。料理は濃厚な風味が特徴で、麻辣(しびれる辛さ)と辛香(辛い香り)を併せ持つ。人々の生活に対する愛情と探求心を表す火鍋は、四川料理の代表と言える。選手村食堂では宮保鶏丁(鶏肉とピーナツの唐辛子炒め)や魚香肉絲(細切り豚肉の辛味炒め)、回鍋肉(豚バラ肉とニンニクの芽、ネギなどを炒めた料理)などを味わうことができる。pagebreak
成都武侯祠博物館にある劉備像。(5月17日、成都=新華社記者/唐文豪)
成都体育学院新体操館センターに隣接する武侯祠(ぶこうし)は1800年の歴史を持ち、諸葛亮(しょかつ・りょう)や劉備(りゅう・び)など三国時代・蜀漢の英雄を祭る。忠義心や知恵という中華民族の伝統的な美徳を表している。pagebreak
7月28日、開会式で披露された「変臉」のパフォーマンス。(成都=新華社記者/呉剛)
開会式では、川劇役者がパンダの隈取りを披露した瞬間、観客から歓声が上がった。世界中の若者が中国の優れた戯曲芸術を目の当たりにした。変臉の妙技は川劇の独自性を高めている。pagebreak
成都杜甫草堂の大雅堂前に立つ杜甫像。(7月19日、成都=新華社記者/江宏景)
市内にある杜甫草堂は唐代の大詩人・杜甫(と・ほ)の旧居。杜甫が4年近く暮らし、詩歌240首余りを詠んだ。成都の詩歌文化は深い歴史を持ち、街に溶け込んでいる。大会に集う若者たちも、成都で夢を追う旅に踏み出していく。(記者/沈氷潔)