7月26日、海中投入前に「海脈」の状態をチェックするスタッフ。(天津=新華社配信)
【新華社天津8月3日】中国の国有石油大手、中国海洋石油集団(CNOOC)はこのほど、中国が独自に開発した海底地震探査・データ収集装置「海脈」を渤海海域に投入し、運用を開始したと明らかにした。中国の海洋石油・ガス貯留層探査の精度向上につながるという。
同社の技術専門家、阮福明(げん・ふくめい)氏によると、「海脈」は小型で、柔軟な設置展開が可能であり、水深500メートルまで動作可能な設計となっている。陸上受振器と水中聴音器の総合的な技術的利点を組み合わせており、従来のえい航式に比べて4倍のデータ収集能力を有し、2ヘルツの超低周波音を知覚する能力は、世界の同種製品の中でも最高レベルに達している。「海脈」は「千里眼」のように、深さ数千メートルに埋もれた石油やガスの貯留層をはっきりと「見る」ことができる。
装置投入後、渤海海域の海底の所定位置に数千もの「海脈」の中継点(ノード)が配置され、海底を覆う巨大な情報収集網が形成された。それぞれの中継点は、聴診器のように海底の地層から反射する地震波を受信し、データとして蓄積・記録する。
「海脈」はカバー範囲の広さに加え、高感度地震波検出器や超低ノイズ収集電気回路などの技術的課題を克服、微弱信号の検出能力が大幅に向上した。これにより、深さ1万メートル級の地層から伝わる、蚊の羽音の150分の1近い微弱な地震波を検出し、石油・ガス貯留層の高解像度データを画像にすることが可能となった。(記者/毛振華、梁姉)