【新華社イスラマバード8月1日】パキスタンのシンクタンク、「グローバル・シルクロード研究連盟」の創業者であるザミール・アフマド・アワン会長はこのほど、首都のイスラマバードで新華社の単独インタビューに応じ、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)はパキスタンに質の高い発展をもたらし、中パ経済協力におけるウィンウィンの実現を促し、新しい時代のより緊密な中パ運命共同体の構築を後押ししており、「一帯一路」共同建設の活力を示しているとの見解を示した。
同氏によると、10年前は一部の西側諸国の脅迫と圧迫を受け、パキスタンの発展は多くの困難にぶつかっていた。2013年の中パ経済回廊の発足は中国の対パ投資に対する自信を示し、パキスタンの国際的な格付けと評判を大きく高め、国際社会の投資意欲を呼び起こした。
在パ中国大使館のデータでは、中パ経済回廊は22年末時点で同国に計254億ドル(1ドル=約142円)の直接投資をもたらし、計23万6千人分の雇用を創出したほか、高速道路510キロ、電力8千メガワット、基幹送電線886キロの新規整備を支援した。
「一帯一路」共同建設において重要な「先行先試」(先に試み、先に行う)プロジェクトとして、中パ経済回廊はパキスタンの経済・社会、人々の生活に大きな影響を及ぼしている。エネルギー分野のプロジェクトは深刻な電力不足を打開し、大都市では電力の使用制限が撤廃され、1日に十数時間に及ぶ電力不足状態を完全に脱し、生産活動や日常生活に伴う電力需要はほぼ満たされるようになった。
質の高い道路網によって国内のビジネスも活発さを増している。同氏は「パキスタンの東西南北は経済回廊の枠組み下で整備された高速道路で結ばれている」と述べた。
枠組み下の港湾施設の整備も大きく進んだ。グワダル港自由区と港湾はつつがなく運営され、グワダル新国際空港も完成間近となっている。道路交通、通信施設も大幅に改善し、経済発展が促されている。
中パ経済回廊の質の高い発展は人材育成にも反映されている。パキスタンのために大量の雇用を創出するだけでなく、中国企業は同国の優秀な人材を選抜し、優れた教育・研修も提供している。同氏は「中国はパキスタンが21世紀の課題に対応する人的資源を育成することを助けてくれた」と評価。
在中パキスタン大使館で科学技術・教育参事官を長らく務めた同氏によると、これまでに数万人のパキスタン人留学生が中国で進んだ科学技術を学び、修士・博士などの学位を取得した。中国側は「魯班工房」など、若年労働力に専門技能を訓練する職業教育協力プロジェクトも提供している。
同氏は「中国が関与したプロジェクトには経済的価値があり、パキスタンのために富を創造しつつある」と指摘。中国が投資、開発するのは国民が最も必要とするインフラであり、パキスタンの経済成長を促し、人々に広く幸福をもたらしているとの認識を示した。