【新華社上海7月28日】スペイン工作機械大手、ダノバットグループ中国法人のジョー・サンテンス総経理はこのほど、上海市で新華社の取材に応え、同社は中国製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)、特にハイエンド製造業と新興製造業の成長の潜在力を踏まえ、中国市場に対する楽観的な見方を維持していることを明かした。
サンテンス氏は中国について、宇宙航空や軌道交通、新エネルギー車(NEV)などハイエンド製造業と新興製造業の分野における発展の潜在力が極めて大きいとの見方を示し、中国製造業の革新的な精神に深い印象を受けているとした。
北京市に最初の事務所を設立した1991年以降30数年にわたり、同社の中国法人は中国製造業の発展とともに急速な発展を遂げてきた。同社は今年5月、世界で6番目となる体験センターを上海に設立した。これは同社にとって、中国の現地化戦略における重要な一里塚でもある。
サンテンス氏によると、体験センターには中国のユーザーに製品をより直感的に体験してもらうため、代表的な機械のサンプルが多数置かれている。テストにパスした中国現地調達の材料の使用も増やす予定で、これによりコストを削減でき、納期も短くなる。
中国の工作機械・ツール業界団体、中国機床工具工業協会のデータによると、22年の業界の生産と消費、経営状況はおおむね安定し、中国は依然として世界最大の工作機械生産国と消費市場としての地位を維持した。
こうした中国市場の潜在力と活力が同社の発展に大いに役立つ。サンテンス氏は「22年に中国市場での販売が過去最高を記録した。受注台数は前年比35・0%以上増加し、販売額は約5500万ユーロ(1ユーロ=約153円)に上り、当社にとって世界最大の市場になった」と明かした。
今後については、現地人材育成プログラムの実施を加速し、同社のエンジニアと現地のエンジニアが協力、交流することで、より多くのイノベーションに取り組む方針を示した。体験センターの場所に上海を選んだのも、人材が集まるという優位性と「研究開発を現地化する上で便利」という長所に着目したためだと説明した。