山西省大同市の華厳寺にある「歯を見せて笑う」菩薩像。(資料写真、太原=新華社配信)
【新華社太原7月27日】中国山西省大同市にある遼代の皇室寺院、華厳寺には、はだしで立つ1体の彩色菩薩像がある。頭をわずかに傾けながら、両目は半眼でにっこりと笑みをたたえている。その表情は古代の中国女性の「歯を見せて笑わない」という伝統を打ち破るもので、同市が長きにわたり備えてきた開放性や包容、融合などの気質を表している。
中国仏教の彫像や塑像で「歯を見せて笑う」ものは非常に珍しいが、同市だけで2体存在する。そのうちの1体、雲岡石窟の石刻菩薩は、華厳寺の彩色菩薩より500年も早く作られた上、えくぼまで浮かべている。
同市は内長城と外長城の間、モンゴル高原から中原地域に入る「喉」に当たる要路に位置していることから、古くより中原の農耕文明と草原の遊牧文明が衝突、融合する最前線となってきた。
同市の開放性や融合の気質を最もよく伝えているのが北魏時代に開削された雲岡石窟で、石刻造像、服飾、建築、音楽や舞踊など多方面において胡人(西域人)と漢人の融合や中国と西洋文化の華麗なる衝突が反映されている。(記者/王学濤)pagebreak
山西省大同市の華厳寺にある「歯を見せて笑う」菩薩像。(資料写真、太原=新華社配信)pagebreak
山西省大同市の雲岡石窟にある、えくぼを浮かべ歯を見せて笑う菩薩像。(資料写真、太原=新華社配信/張海雁)