「南水北調」中央ルート、北京への送水量90億立方超

「南水北調」中央ルート、北京への送水量90億立方超

新華社 | 2023-07-27 16:30:04

   【新華社北京7月27日】中国南部の水を北部に送るプロジェクト「南水北調」を運営する中国南水北調集団は25日、同プロジェクトの中央ルートによる北京への送水量が20日時点で90億6700万立方メートルに達したと発表した。水質は、飲用水の水源や希少水生生物の生息地となる地表水2類基準以上を保ち、直接的な受益者は1500万人を上回った。同プロジェクトによる北京市、天津市、河北省、河南省への送水量は575億立方メートルに上っている。

   同集団の担当責任者によると、北京への送水量のうち、浄水場への供給は約60億立方メートルと7割に迫り、密雲や懐柔などの大中型ダムや密懐順水源地へは22億立方メートルに達し、その他は市内の河川・湖への水補給に使われた。北京の水源地の生態系修復や地下水の回復は前進している。

   同氏によると、「南水北調」は北京の生産・生活用水の主要な水源となっている。北京市水事業部門は6月22日から7月7日にかけ同プロジェクトの送水量を3回にわたり高め、流速を毎秒30立方メートルから46立方メートルに速め、1日当たりの送水量を398万立方メートルに増やしている。

   中央ルートは正式な通水後、沿線の24の大中都市、200余りの県や小都市で、8500万人に直接的な利益をもたらしてきた。送水先の給水構図も変え、安定した給水の確保が進んでいる。送水先の都市ではかつて最低75%を割っていた生活用水の確保率が95%以上に高まり、工業用水の確保率も90%以上となった。通水後の水質は地表水2類基準またはそれを超える水準を保っており、送水先地域の人々の獲得感、幸福感、安全感を効果的に高め、飲用水の安全を力強く保障している。

   また17年からは水源地の丹江口ダムの増水前の事前放流と増水期の洪水資源を利用、沿線河川50本余りに90億立方メートル以上の水補給を実施。華北地域では浅層地下水の水位が下げ止まって回復し、干上がった沼や浅水湖、水路、湿地が生気を取り戻し、生態学的な効果が顕著に表れている。

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