【新華社北京7月26日】中国の科学研究チームはこのほど、超伝導51量子ビットクラスター状態の生成と検証に成功し、あらゆる量子システムにおける真のもつれビット数の世界記録を更新した。これまでの記録は24量子ビットだった。
研究は、中国科学技術大学の潘建偉(はん・けんい)院士(アカデミー会員)、朱暁波(しゅ・ぎょうは)氏、彭承志(ほう・しょうし)氏のチームと北京大学の袁驍(えん・ぎょう)氏らが共同で完成させ、関連成果を12日、国際的学術誌「ネイチャー」電子版に発表した。
真の量子もつれ状態のビット数の発展の歴史。(資料写真、北京=新華社配信)
量子もつれは、量子コンピューティングの加速効果の根本的な要因の一つであり、もつれビット数の増加により、量子コンピューティング能力は指数関数的に向上する。
これまで、量子システムの性能や操作能力、検証手段などの要件を満たすことが困難であったため、真のもつれビットの規模は24量子ビットを超えられずにいた。
研究チームは今回、準備段階で構築した超伝導量子コンピューターのプロトタイプ「祖冲之2号」を基に、並列複数量子ビットゲートの忠実度を99・0%、読み取り精度を95・0%まで向上させ、研究チームが提案した大規模量子状態忠実度検証・判定法と組み合わせることで、51ビットクラスター状態の生成と検証に成功した。
「祖冲之2号」を用いて完成された51ビット1次元クラスター状態の生成回路と量子状態忠実度の結果。(資料写真、北京=新華社配信)
潘氏は研究について、量子システムにおける真のもつれ量子ビット数の記録を当初の24から51へ大幅に更新し、超伝導量子コンピューティングシステムの優れたスケーラビリティ(拡張性)を実証してみせたと述べ、これに基づき、研究チームは初めて測定に基づく変分量子アルゴリズムを実現し、測定に基づく量子コンピューティング方式の実用化に向けた基礎を築いたと説明した。(記者/張泉、徐海濤)