オープン初日に多くの中国人客が来店したスシローの武漢1号店。(6月9日撮影、武漢=新華社配信)
【新華社広州7月24日】回転ずし「スシロー」を運営するフード&ライフカンパニーズ(F&LC)は先月9日、中国湖北省武漢市に、18日には重慶市に出店するなど、中国で店舗数を急拡大している。スシロー武漢摩爾城店の座席数は365席で、世界にあるスシローの店舗で最大規模となる。
F&LCは2021年9月に中国初進出となる広東省広州市1号店をオープンした。同社の荒谷和男執行役員・中華圏事業統括部長によると、開店以来、広州店には多くの中国人客が訪れており、ピーク時には300組以上が待ち、1日の来客数は最大で千人を超えるという。
「1号店の成功は、F&LCが中国市場を開拓し続ける自信につながった」。同年11月には広州に2号店をオープンし、2年足らずで広東省の主要都市だけでなく、成都、重慶、武漢といった中国中西部の大都市にも進出し、中国での回転ずし店は29店舗に増えた。
「我が社は月に1店舗のペースで中国市場を開拓している。よりコストパフォーマンスの高い日本の寿司を、多くの中国人消費者に届けたい」。荒谷氏は、中国のスシローは24年度中に42~46店舗に達する見込みだと述べた。
同社は日本の味にこだわる一方、中国の消費者の食習慣に合わせてメニューを調整し、革新も行っている。スシローの寿司皿にはICチップが取り付けられており、売れ筋をリアルタイムに把握できる。
「中国の消費者があぶり物や火で調理した料理を好むことを考慮し、メニューを増やした。また、重慶などでは辛いものを食べる習慣があることを踏まえ、辛口の麺類なども用意して需要に応えている」。毎月20種近くの限定メニューを登場させており、これらは中国の消費者の食習慣に合わせて創作され、人々のニーズを満たしている。
中国の外食市場調査・分析を手掛ける紅餐ブランド研究院が発表した「中国日本食類発展報告2022」によると、21年の中国の日本食市場規模は895億元(1元=約19円)に達した。日本料理は中国国内で長い時間をかけて発展し、相対的に安定した消費者層を有しているため、コロナ禍でも全体としては一定の市場規模の伸びが維持された。
荒谷氏は「人口大国の中国は世界最大の外食市場の一つであり、我々は引き続き中国市場を重視している。人々の生活水準が向上し、健康的な食事への関心が高まる中、ますます多くの消費者が健康的で栄養豊富な食品を求めている」と語り、回転ずしの「新鮮で手軽」という特徴が消費者から支持されており、市場ニーズはますます拡大するだろうとの見方を示した。(記者/陸浩)pagebreak
オープン初日に多くの中国人客が来店したスシローの武漢1号店。(6月9日撮影、武漢=新華社配信)pagebreak
広州市の中心市街地にあるスシローで、列を作って入店を待つ客。(6月30日撮影、広州=新華社記者/陸浩)