17日、泰州海事局が試験運用中のスマート無人艇。左が完全無人型の「M75B」、右が有人・無人両用型の「L30」。(泰州=新華社配信)
【新華社南京7月24日】中国江蘇省海事局が管轄する泰州海事局は、スマート無人艇2隻がこのほど、泰州市高港区の管制塔で試験運用を行い、日常の海事法執行に従事したと発表した。
2隻は広東省珠海市の企業が建造。うち「L30」は有人と無人の二つの航行モードを持ち、有人運航時の乗員は2人。船体はアルミ合金製で全長7・5メートル、満載重量は5トン。最高速度は40ノットで、航続距離は300カイリを超す。完全無人型の「M75B」はカーボンファイバー製で全長5・3メートル、満載重量1・3トン。最高速度は30ノット、航続距離は150カイリ超となっている。
泰州海事局靖江海事処の桂海兵(けい・かいへい)副処長は、「今回は長江の狭水道で2隻の日常海事法執行の効果・応用試験を実施した」と説明。2隻はいずれもナビゲーションレーダーやレーザーレーダー、拡声器、船舶自動識別装置(AIS)などを備え、スマート化設備とソフトウエアシステムにより周辺の環境や通航状況をリアルタイムで感知して周辺船舶と速やかに通信を確立し、水域の巡航や定点監視などを自律的に実施できると述べた。スマート機能で船舶目標を捕捉し、迂回(うかい)や減速、停船などの障害物回避動作を自動で行うほか、画像をリアルタイムで送ることで不審な目標や行為を発見したオペレーターが拡声器や無線で呼びかけたり、違法行為の証拠を確保したりできるという。通信電波が途切れるなど異常時には自動で引き返す機能も備えている。
桂氏は、スマート無人艇は重点区域での警戒や長時間の駐留任務が可能で、明らかな違法行為の取り締まりや水上救援活動、水上交通ピーク時の誘導など日常的な海事法執行のさまざまな場面で活躍できると指摘。特に船舶火災発時の偵察では通常の巡視船がたどり着けない浅瀬でも任務を遂行できると説明した。(記者/陳席元)pagebreak
12日、長江で海事日常法執行試験を実施する2隻のスマート無人艇。奥が完全無人型の「M75B」、手前が有人・無人両用型の「L30」。(泰州=新華社配信)pagebreak
11日、長江で海事日常法執行試験を実施する有人・無人両用型「L30」。(泰州=新華社配信)