周口店北京原人遺跡で新たな古人類化石を発見

周口店北京原人遺跡で新たな古人類化石を発見

新華社 | 2023-07-21 08:40:36

   【新華社北京7月21日】中国科学院は17日、同院古脊椎動物・古人類研究所の研究チームがこのほど、CTスキャンや3次元復元などの新技術を使い、周口店第15地点の哺乳類化石からヒトの頭頂骨1点を発見したと発表した。

   中国の研究チームが周口店北京原人遺跡で更新世の人類化石を発見するのは1973年以来。周口店では今回の発見により人類化石の発見地点が新たに増えた。

周口店第15地点で見つかったヒトの頭頂骨化石。A:頭頂骨化石の表面。B:北京原人頭蓋骨との比較。右側頭頂骨がほぼ一致する。(資料写真、北京=新華社配信)

   周口店第1地点で見つかったホモ・エレクトス(北京原人)の化石は人類の進化を探求する重要な研究材料で、長期にわたり国内外の学者の高い注目を集めてきた。第15地点は第1地点から70メートル離れた場所にあり1932年に発見。年代は更新世後期で20万年前の石器や哺乳類の化石が大量に出土した。

   今回見つかったヒトの頭頂骨化石標本は黄褐色で完全に化石化していた。骨壁厚や曲度、大きさは北京原人の頭蓋骨の右側の頭頂骨とほぼ同じだった。

   第1地点出土の人類化石は約50万年前のホモ・エレクトスに分類されるが、山頂洞や付近の田園洞では3万~4万年前の初期現生人類(ホモ・サピエンス)の化石(山頂洞人と田園洞人)も見つかっている。一方でホモ・エレクトスからホモ・サピエンスへの進化における中間段階の人類化石は第4地点で見つかった歯1本のみとなっている。

   古脊椎動物・古人類研究所の呉秀傑(ご・しゅうけつ)研究員は「第15地点での人類化石の発見は、比較解剖学と分子生物学が周口店の人類進化の研究を深める役に立つ。中国の古人類の進化モデルを検討する上で極めて重要で要となる標本資料になる」と語った。(記者/張泉、温競華)

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